▼NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の序盤の主な舞台だった岐阜市の観光資源の一つが長良川の鵜飼だ。10月中旬に今シーズンは終了。観覧船の乗客数は過去最低だったというが、川岸から提灯を持って観覧する新たな試みの社会実験も行われた。大河効果を狙った地元の方々にとってコロナ禍は痛恨のアクシデントだったが、苦しくても立ち止まらない姿勢に敬意を表したい。

▼織田信長が天下布武へと踏み出す拠点となった岐阜城跡を頂く金華山も、岐阜市のシンボルだ。長良川はもとより濃尾平野が一望できる。山中には岐阜市内に上水道を供給するための配水池があるが、景観に配慮して金華山の岩盤をくり抜いて作られた。全国でも珍しい大規模な地下空洞式の配水池だ。観光客の「体験」を大事にする文化が根付いていることがうかがえる。

▼麒麟を待ち望む明智光秀は、まだ織田家臣にもなっていない(11月1日現在)。金ヶ崎の戦いなど活躍の史料が残るビッグイベントに差し掛かり、いよいよ盛り上がってきた感はある。ドラマ撮影も例年にないアクシデントに見舞われて中断した。これを逆手にとって、新たな視聴者体験を提供してくれることを期待するのは高望みか。(霹)