「行動」しなければ何の成果も得られない

 新しいビジネスを立ち上げたり、キャリアを伸ばすときに、最速でゴールにたどり着くための「高速仕事術」。本書では、どれだけ多くの「行動」と「改善」をするかで、成果を手にできるスピードに差が出ると説く。

 分かりやすい例を挙げると、サイコロを振って「1の目が出たら10万円もらえる」仕事があったとする。1回振って1の目を出した人は「幸運な人」ではなく、「誰もが6分の1で、1の目が出る“確率論”でしかない」と著者は指摘。であれば、限られた時間のなかで、より多くサイコロを振った人が、たくさん稼ぐことになる。サイコロを振るという「行動」の数で得られる成果が変わる。

 実際は、生まれ持っての才能、知能、幸運といった要素はあるものの、仮にそうした差があったとしても、「行動」しなければ何の成果も得られない。

 とはいえ、ずぶの素人がいきなり「行動」を起こせば、当然、失敗し、壁にぶち当たる。そこでどうしたら乗り越えられるかと「情報収集」をして「改善」につなげる。行動→情報収集→改善のサイクルをいかに速く回すかで、同じようなことをしている人との差が出てくる。つまり、限られた時間のなかで何回サイコロを回せるのかに通じる。

 コロナ後、デジタル化の一層の進展によって「個の力」がより重視されるようになる。組織を越えて個と個によるプロジェクトも増える。組織の歯車でも稼げた時代は終わり、ビジネスやキャリアを個の力で掴んでいく時代に、この「高速仕事術」は役立ちそうだ。(寶)
 


『自分のやりたいことを全部最速でかなえるメソッド 高速仕事術』
上岡正明 著
アスコム 刊(1500円+税)