▼コロナ禍が終息しても、もはや仕事のスタイルがそれ以前に戻ることはあり得ない――昨年以降、IT企業の経営者を始めとする多くの識者から繰り返し発せられているメッセージだ。例えば、会議や商談はもちろん、私的な人的交流に至るまで、Web会議ツールを介して行うことは当たり前になった。対面でのコミュニケーションが再び可能になっても、便利なWeb会議ツールが積極的に使われていくことは容易に想像できる。

▼しかし、一般企業の経営層と従業員では認識に大きな違いがあるようだ。チャットツールを提供するスラックが、世界のナレッジワーカー1万人にこの夏行った調査によれば、経営層の実に44%がフル出社に戻したいと考えている一方、同様に考える従業員は17%だったという。

▼黙っていてもリモートワーク関連商材が飛ぶように売れる時期が長らく続いてきた。だが、本音では「極力出社中心に戻したい」と考える一般企業の経営者は、ITベンダーが想定するよりずっと多いかもしれない。今後は対面とリモート、それぞれの役割をより明確に説明できなければ、仕事のスタイルがコロナ前に逆戻りする事態も免れないのではないか。(螺)