▼イチローさんが2001年に米大リーグでMVPを受賞した時、少なくとも自分が生きている間は、日本人が再びこの偉業を成し遂げることはないと思ったことを覚えている。あれから20年がたった。

▼「リアル二刀流」とは若干違和感のある表現だが、年末の風物詩であるユーキャン新語・流行語大賞でも文句なしのトップテン入り。世界最高峰の舞台で投打にわたって一流の成績を残すという、前代未聞の活躍をした大谷翔平選手は日本人として2度目のMVPを受賞した。比較対象は歴史の世界にしかいない。

▼トップアスリートが競う年間160試合の興行となれば、分業が高度化するのは必然だ。それに抗い、野球というスポーツの根源的な楽しさやプレーする喜びを体現した、まさに「ショータイム」だったと感じる。

▼パイオニアの存在が尊いのは、イチローさんもそうであったように、第三者に価値観の転換をもたらし、コミュニティや社会が新しい可能性を開くきっかけになり得るからだ。混沌のIT産業界でも、2021年は国内外で新しいビジネスの芽が生まれた。大谷級の活躍で市場にパラダイムシフトをもたらす明日のビッグプレイヤーに早く会いたい。(霹)