かき混ぜるほど深まる愛

 ぬか漬は古くから伝わる乳酸菌発酵による漬物の一種だ。原型とみられるものは8世紀ごろに確認されているそうで、江戸時代初期には現在の形になっていたと言われている。日本人の食卓を支えたぬか漬だが、かき混ぜるなどの管理が面倒であったり、独特の匂いが気になったりと、自宅でぬか床に漬ける家庭は次第に少なくなっている。しかし近年は、腸内環境の改善をはじめとする健康効果に注目が集まっているほか、気軽に作れるキット商品も出回り、若い世代でも作る人が現れているという。
 

 記者も3年ほど前から小さなぬか床を作り、季節の野菜を漬け込んでいる。ぬか床は米ぬかと塩、水を混ぜたものをベースとし、ここに香辛料や柑橘類の皮、昆布や鰹節など、風味やうま味が出る材料を加えることで、味がどんどん変化する。自分好みのぬか床に育てていくと、なんだか愛着がわいてくるから不思議である。

 かき混ぜるのは確かに面倒ではあるが、冷蔵庫で保管すれば毎日行う必要はなく、思ったよりも楽だと感じるだろう。今年の大寒から始めてみてはいかがだろうか。ちなみに、いろいろ試して、意外においしかった食材はズッキーニとこんにゃくである。(無)


由来
ぬか床に使う米ぬかなどの販売企業で構成する「全国ぬかづけのもと工業会」が2015年に制定。大寒の寒さ厳しい時期にぬか床を作ると、いいぬか床ができるとされていることから、暦の上の大寒を記念日とした。