▼中国では、「996」という言葉がある。「朝9時から夜9時まで週6日勤務」との意味があり、SNSなどで劣悪な労働環境をやゆする際に多く使われている。最近では「0時から0時まで週7日勤務」の「007」も登場し、過酷さが増している面があるようだ。

▼中国は、IT企業が短期間で大きく成長し、世界の注目を集めている。華々しく見える裏側で業務を支えているのは、長時間労働を続ける社員たちだ。数年前、中国で大手IT企業の本社ビルの近くを未明に通った際は、多くのフロアで煌々と明かりが点いているのに驚いたことがある。

▼日本ではかつて、長時間労働が美徳とされるような時代があった。しかし、過労死や自殺が社会問題となり、見直しの動きが進んでいる。数年前からの「働き方改革」は代表例の一つで、各企業は働きやすい環境の整備などに取り組んでいる。

▼新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、多くの企業がテレワークを導入し、働く場所や時間の自由度は大きく高まった。ただ、社員の働き方を把握しにくくなっている面は否めない。「996」や「007」にならないようにするため、各企業は今一度、現状を点検してみてはいかがだろうか。(鰹)