今日は何の日

<今日は何の日>12月20日(1899年)『郵便局が年賀状の特別扱いを開始』

2022/12/19 09:00

週刊BCN 2022年12月19日vol.1950掲載

枚数はピークの半分以下に

 テレビで「紅白歌合戦」「ゆく年くる年」を見て、それが終わると地域の氏神さまへお参りに行く。そのような大みそかのルーティンも今や失われつつあるが、夜更かしをして床についた後、目覚めて郵便受けを確かめに行く楽しみも、過去のものになろうとしている。

 日本で官営の郵便事業が始まったのは1871年で、官製はがきが登場したのはその2年後。以降、年始にはがきで年頭のあいさつをする習慣が普及していったが、「○年1月1日」の消印を求めて年末から元日にかけての投函が殺到。郵便業務に支障を来すことから、元日の郵便を事前に受け付ける特別扱いが1899年に始まった。

 PC・携帯電話の普及や、形だけの儀礼は撤廃すべきといった考え方から、年賀状の枚数は急減している。日本郵便が発行する2023年用の年賀はがきは16億4000万枚で、前年と比べ1割も減少した。03年のピーク時には44億5936万枚発行されていたというから、半分以下である。

 セレモニーの開会式などで読まれていた「祝電」と同じように、伝統的と思われていた習慣も、メディアやテクノロジーの変化とともに移り変わるものである。
(螺)
 


由来
1899年12月20日、12月下旬に投函された年賀状をまとめて元日に配達する特別な取り扱いを郵便局が開始した。
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