店頭流通

ベンクジャパン エイサーグループから独立

2002/05/13 16:51

週刊BCN 2002年05月13日vol.940掲載

自社ブランドの認知度向上へ

 ベンクジャパンは、自社ブランドのビジネス拡大を図る。同社は「エイサーコミュニケーションズアンドマルチメディア(ACM)ジャパン」として、エイサーグループでLCDモニタやストレージデバイス、携帯電話などの生産を手がけてきたが、台湾本社のACMが同グループから独立したのを受け、2002年4月1日付で社名を変更。まずはコンシューマ市場でのブランド認知度を高め、将来的には法人市場でも自社ブランド製品を販売する。ACMジャパンは、昨年12月4日に台湾のACMが「BenQ(ベンク)」に社名変更したのにともない、今年4月1日に「ベンクジャパン」となった。ベンクグループは、エイサーグループのなかでLCDモニタやストレージデバイス、携帯電話などの生産を担当し、OEM販売を主力に事業展開してきた。だが、昨年末にエイサーグループから独立。今後は「ベンクブランド」の認知度向上と、自社ブランドでの売り上げ増に力を入れていく。

 陳慈統括部長は、「当社は96年の設立以来、OEM販売やアフターサービスを中心に国内ビジネスの基盤を作ってきた。そのため、自社ブランドに軸足を移しても、サポートや保守を行う体制が整っている」と強調する。コンシューマ向け製品のラインアップ拡充を図るために、同社ではディスプレイ分野をはじめ、デジタルディスプレイ分野、ストレージ分野、イメージング分野、ワイヤレス分野、ブロードバンド分野の6事業部制とした。生産は、マレーシア、メキシコ、中国、台湾の4拠点。販売に関しては、ソフトバンク・コマースを含め、大手3社と販売代理店契約を締結している。同社が販売している製品は、LCDモニタやCD-RW、低価格デジタルカメラ、PDAキーボード。営業部の陳鼎宏課長は、「プラズマディスプレイやDVD-ROMなどを今年秋までに発売する」と、ラインアップ拡充に意欲を燃やす。ほかにも、スキャナやプロジェクタ、複合プリンタなどの製品化を検討している。

 将来的には、「個人市場での販売はもとより、法人向け市場においても、直販及びすでに提携している流通チャネル各社との協業関係を強化しながら、ソリューションビジネスの推進で拡販を図る」(陳課長)という。当面はOEM販売を中心に法人市場での売り上げを伸ばしていく。ベンクグループ全体の売上高は、00年度が約3200億円、01年度が約4600億円。エイサーグループ全体の4分の1を占めていた。陳課長は、「国内の売上高は、昨年度が約12億円。今年度は約18億円を目指す」と意気込む。なお、社名の由来について、「『Bring Enjoyment and Quality to Life(生活に楽しさとクォリティを)』をコンセプトにした製品を次々と開発していきたい」(陳統括部長)と語った。
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外部リンク

http://www.benq.co.jp/