店頭流通

エディオン 独自商品で差別化図る 03年3月までに500アイテム

2002/06/24 16:51

週刊BCN 2002年06月24日vol.946掲載

 

 エディオンの久保允誉会長は、5社統合に向けて改めて強い意欲を示した。久保会長は、「ベスト電器、上新電機、ミドリ電化の3社とは、今は独自商品の開発を中心とした提携だが、今後はさらに踏み込んで、段階的に事業そのものを統合する方向に進める」と意気込む。エディオンを構成するエイデンとデオデオは、それぞれの地場商圏を守りつつ、5社統合の中心的な役割を果たす。5社が統合すれば、国内で唯一ヤマダ電機に正面から対抗できる勢力に成長する。

 5社統合を成功させるためには、まずは独自商品の開発で結束を固めることが先決――。エディオンの久保会長は、家電やパソコンなど、幅広い分野で独自の商品開発を進めることで、現在の緩やかな連邦方式からより結束力の強い事業統合への足がかりにする考えだ。

 独自商品とは、エディオンなど5社連合が独自のマーケティングに基づいて決めた仕様で発注する商品のこと。独自仕様で発注した商品は、発注元の販売店がすべて売り切らなければならないという大きなリスクを負う。

 逆に、メーカーから見れば、受注した台数は必ず納品しなければならない責務を負う一方で、価格補填も返品もなく、確実に手から放れるため利点か多い。その分、メーカーは独自の仕様に合わせて元来の商品をつくり直し、卸値も平均4%ほど安くするケースもあるという。

 久保会長は、「大量に仕入れて責任をもって売り切る力をメーカーに示さなければ、他社との競争のなかで生き残れない。1社だけの発注では、発注個数が少なすぎて、独自商品といってもせいぜい製品の色を変える程度。これでは差別化にならない。だが、5社が集まって大量に発注すれば、新しい機能を必ず1-2個は追加できる」

 「メーカー本来の製品に比べ、機能は上で価格は据え置きか、逆に安くなれば、独自商品の優位性は十分にある。われわれは売り切るリスクを負うわけだから、最低このくらいの優位性は必要だ」と、5社結束して、売り切れる商材の開発と売り切る力を発揮する重要性を訴える。

 エディオン全体での独自商品は、現在100アイテム。今年度末(03年3月まで)には500アイテムに増やす。パソコン分野では、現在14%が独自商品に過ぎないが、今後はほかの家電同様、大幅に増やす。「すでにソニーからはいい感触を得ている。また、NECカスタマックスからは、かねてから“売り切る確約=コミット”をする販売店を高く評価する意向を得ている」と、主要メーカーはエディオンの施策を前向きに受け止めているという。
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