検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>第2回 T・ZONE.

2002/07/08 16:51

週刊BCN 2002年07月08日vol.948掲載

 T・ZONE.(横山隆俊社長)は、ネットショップ「T・ZONE.ドットコム」の各購入者向けに、有益な情報を提供するサービスを2002年7月末から開始する。

7月末にサービス追加 顧客ごとにメール配信

 同サービスは、顧客がどのような情報を求めているか、各購入者向けにアンケートを実施し、そのアンケート結果をもとに、顧客属性データベースを構築し、各購入者ごとに適した情報をメール配信する仕組み。

 T・ZONE.事業部EC課・鈴木照彦課長は、「購入者を対象としたメールマガジンの配信は以前から行っているが、全購入者に同じメールを配信しているに過ぎず、顧客の囲い込みが確立していなかった」と話す。

 「T・ZONE.ドットコム」は、これまでEC事業部が管轄して運営していたが、今年4月から1つの店舗と位置づけ、「EC課」として再スタートを切った。

 サイトは、パーツやゲームソフトを中心に約1万アイテム数に達している。

 アクセス数は、1日平均で8000ページビューとなっている。顧客層は、パソコンの上・中級者層が大半だ。

 ユーザーがある商品をサイトで購入してからの流れは、各店舗の在庫データをもとに、その商品の在庫をもつ店舗から取り寄せる。店舗が近い場合は、EC課の社員が取りに行くケースもある。

 納期は、午前中に注文を受けた場合、早くて翌日、遅くても5日後までに納品することを徹底している。

 鈴木課長は、「サイトは、まだまだ機能面のレベルが低く、消費者にとって使い勝手が悪いのではないか。消費者からは、検索機能をよくして欲しいという声を聞く。今年9月中までには、『使いやすい』をコンセプトに、しっかりと基盤を作っていく」と意欲を燃やす。

 そのためには、「既存店舗を補完するものとして、サイトを閲覧する消費者数を増やし、既存店舗に誘導させるというのが重要。売上高を伸ばすことに加え、いかに既存店舗の固定顧客を増やしていくかがサイトのあり方だ」としており、既存の店舗との連携を図るため、店舗のキャンペーン情報やイベント情報の充実を図る。

 今年度(03年3月期)は、サイトの売上高が全体の10%を占める見通しだ。(佐相彰彦)
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