店頭流通

NTTドコモ カメラ内蔵携帯で巻き返し図る

2002/07/08 18:45

週刊BCN 2002年07月08日vol.948掲載

 NTTドコモ(立川敬二社長)は、今年5月の携帯電話加入者が純増数で初めて第3位となったが、6月には早くも首位に返り咲くことになりそうだ。

 コンピュータ・ニュース社の市場調査部門であるBCN総研が発表した6月17-23日の携帯電話の販売台数シェアでは、NTTドコモが上位を独占。社団法人、電気通信事業者協会の調査でも、純増数で首位奪回となったもようだ。

 6月20日に行われたNTTドコモの株主総会では、株主から「ドコモは常に首位であることを課せられた企業」、「3位転落はドコモのブランドイメージを著しく傷けた」、「3位に落ちたことに対する危機感が経営陣から感じられない」などの声が相次いだ。

 これに対して、NTTドコモは、「昨年11月以降、他社は新製品やサービスの投入で契約数が増加したが、当社は半年間にわたって新たな機種を投入しなかったのが原因。すでに5月末から6月にかけて504iシリーズを投入、6月からはカメラ内蔵の251iを投入しており、この製品の売れ行きも好調。巻き返しに向けた手はすでに打ってある」とコメント。

 さらに「現時点(6月20日)での契約数を見れば、6月はおそらくドコモがトップシェアになっているだろう」としていた。

 さらに、「過去にも月別の純増数では2位に落ちたことが何度もある。もし全加入契約者数で2位に落ちれば、それは重大な問題だが、競合他社は2位獲得を目指しているという段階であり、当社の58%のシェアは当面は揺るがない」とした。

 だが、第3世代携帯電話「FOMA」の加入者数が伸び悩んでいる点は、同社にとっても重要な問題。5月末時点での加入者数は11万2000人と、サービス開始当初に「確実に達成する目標数」(立川社長)として掲げていた「2002年3月末に15万人」という数値を大きく下回っている。

 その一方で、auは、第3世代対応端末が今年4月の出荷開始以来、6月までに早くも100万台を突破。「第3世代ではトップシェアを獲得する」(KDDI・小野寺正社長)という宣言を見事に達成した。

 NTTドコモでは、FOMAの拡大戦略を今年度の重点課題としており、FOMAの未カバーエリアでは第2世代端末として利用できる「デュアルネットワークサービス」を開始。今年度末にはFOMAの人口カバー率90%を実現して加入者増につなげたい考えだ。
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