検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>第10回 アベルネット

2002/09/09 16:51

週刊BCN 2002年09月09日vol.956掲載

インターネットビジネスは信頼性向上が拡大のカギ

 PC激安店「PCボンバー」を運営するアベルネットでは、新規顧客の開拓に注力する。同社では、注文や問い合わせの電話やメールに適確に対応することを徹底。サイトは購入機能をもたず、消費者は購入したい商品を電話やメールで注文する。パソコン中級者や初級者を顧客として獲得していく構えだ。PCボンバー・根本知聰店長は、「購入機能をもたないサイトの弱みを逆に強みにする。もし、問い合わせに対する対応が怠慢だったら、初めてサイトを訪れた消費者は『なんていい加減な店舗だ』と思うだろう。一度購入した消費者でも、対応の良し悪しで二度と商品を購入しない場合だってある」と話す。

 同社のサイトは、実店舗と同様、激安が“売り”。そのため、パソコン上級者の購入が比較的多い。根本店長は、「これまでは、上級者層を取り込むだけでも十分に収益を得ることができた。しかし、パソコン市場が低迷するにしたがって、新しい顧客層を獲得しなければ、売上高の伸びにも限界がでてくる」と指摘する。

 価格は、競争が激しい「価格.com」に情報を掲載していることもあり、1日最低でも3回の改定を行う。納期は、代金引換の場合、購入後、翌日納品を徹底。銀行振込の場合は、振込み確認後の翌日に納品する。「いつ納品されるか分からないことが消費者を一番不安にさせるため」だという。商品数は300アイテムを揃える。売り上げ比率は、ノートパソコンが5割と高く、デジタルカメラが2割、そのほかの商品が3割。

 根本店長は、「インターネットビジネスを拡大するには、売れ筋商品を安く大量に仕入れ、低価格で提供することと、消費者からサイトや実店舗の信頼を得ることがカギ」と強調する。02年第1四半期(02年4-6月期)は、売上高が前年同期比で50%前後増加。7月と8月に関しては、それぞれ前年同月比50%増、40%増で推移した。同社のインターネットビジネスは、全体の売上高の65%を占める。サイトの新規顧客を拡大することにより、今年度は、全体で約120億円の売上高を見込む。 (佐相彰彦)
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外部リンク

http://www.pc-bomber.co.jp/