店頭流通

タブレットPC メーカー各社が続々投入 新市場の創出に期待

2002/11/18 18:45

週刊BCN 2002年11月18日vol.966掲載

 マイクロソフト(阿多親市社長)では、92年の「ウィンドウズ for Pen Computing」以来、10年間にわたり「ペンコンピューティング」の研究開発に取り組んできた。

 11月7日に発表した「ウィンドウズXPタブレットPCエディション」は、過去の経験を生かし、モバイル用CPUの登場や、液晶ディスプレイ、デジタイザ技術の発展、ブロードバンド、ワイヤレス技術の急速な普及などといったテクノロジーの進歩を受けて実現した。今回、ハードウェアメーカー9社がタブレットPCの発売を表明、ソフトウェアメーカー33社が同OS対応のソフトの発売に名乗りを挙げた。

 マイクロソフトが取り組む販促活動は、個人向けが店頭デモの実施だ。ラオックス・ザ・コンピュータ館やビックピーカンの池袋本店と有楽町店、ヨドバシカメラの新宿西口OAマルチメディア館とマルチメディア梅田店、マルチメディア福岡店、コンプマート名古屋の8店舗で年末にかけて「デモステーション」を設置する。

 東京・渋谷にあるQフロントビル6階の「ウブスナカフェ」では、12月1日から体験コーナーを設ける。また、企業向けについては、早期導入プログラムやITトレーラー全国キャラバン、業種別導入促進セミナーの開催などで用途提案を訴求していく。

 電子情報技術産業協会(JEITA)の調べでは、今年度上半期(4-9月)の国内パソコン出荷実績は台数ベースで前年同期比10%減の455万5000台、金額ベースで同7%減の7743億円となった。出荷台数については、法人向けが同11%減、個人向けが同9%減だった。

 第2四半期(7-9月)の出荷実績は、台数が前年同期比6%減の212万6000台、金額が同6%減の3445億円。第2四半期の出荷台数は、法人向けが同5%減、個人向けが同9%減という結果だった。第1四半期における出荷実績(台数が前年同期比13%減、金額が同9%減)と比べると回復の兆しをみせているものの、法人の投資抑制や個人消費の低迷が依然として続いたことが前年割れの要因だ。

 そのため、通期の見通しは、台数ベースが1110万台(前期比4%増)、金額ベースが1兆8000億円(前期並み)を当初見込んでいたものの、台数で1000万台強(前期比約6%減)、金額で1兆6500億円(同7%減)と下方修正した。

 この市場低迷については、「パソコンの新製品に新鮮味がなくなったことが要因」といった見方が強い。タブレットPCの開発は、メーカー各社が低価格競争やシェアを奪い合う戦略では生き残りが難しく、なおかつ現状のままでは市場の低迷が続くことに危機感をもっていることの表れともいえる。

 阿多社長は、「タブレットPCは、特定分野向けに特化した製品でない。コンシューマと法人で新しい市場を創出することは間違いない」と自信をみせており、1年目で25万台の販売台数を見込む。「完全にモバイルとして使われているノートパソコンが国内で100万台あるといわれている。その25%にあたる需要を増やすことにつながる」としている。
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