検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>第23回 アウトレットプラザ

2002/12/09 16:51

週刊BCN 2002年12月09日vol.969掲載

 総合卸売商社のアウトレットプラザ(山口誠司社長)が運営するインターネットショップの売上高が好調に伸びている。通販事業部・鮫島徳和店長は、「ネットショップの売上高が前年同月比20-30%増で推移する」と自信をみせる。

新品で中古並みの価格を追求

 サイトでは、パソコンおよび関連機器をはじめ、家電製品などで約3000アイテムに達する。ほかには、ブランド品のバックや財布、化粧品、ゴルフクラブ、時計などを販売。「サイトを訪れる顧客層は25-50歳のパソコン初級者か中級者が大半」としており、「他業種の商品により相乗効果が生まれ、パソコンや関連製品のみを販売する競合サイトが開拓し切れていない顧客層を当社のサイトで獲得できているのではないか」と分析する。アクセス数は1日平均1万1000-1万3000で推移している。

 鮫島店長は、「いかに低価格で提供できるかが顧客増加のカギだ」と強調する。そのため、「新品を中古品並みの価格設定で提供することに注力している」という。在庫を切らさずに即納できることも消費者がサイトの信頼性を高める要因とみており、翌日納品を徹底。こうした取り組みにより、購入者全体の20%以上がリピート顧客となっている。

 パソコンおよび関連機器の売上高は全体の約6割を占める。最近では、デジタルカメラや外付けハードディスクなどが売れ筋だ。

 同社は、企業向けの卸事業に加え、個人向けの実店舗を構える。紙媒体による通販事業を手がけていたことがきっかけで、1997年にネットビジネスに参入した。

 ネットビジネスについては、「更新をする日としない日では顧客数が大幅に異なる。そのため、価格や商品数など、いかに細かく更新できるかが重要」としており、「ネットショップの価格競争が激しく、より薄利多売なビジネスになっていることは確か。業務効率化をいかに図れるかもネットビジネスの拡大につながる」と指摘する。

 今後のサービスに関しては、銀行振込や代引きといったこれまでの決済方法に加え、コンビニ決済を来年以降に追加する。iモードなど携帯電話からでも商品が購入できる仕組みを構築する。

 今年度は、「約30億円の売上高を見込む」と意気込む。(佐相彰彦)
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