検証ECビジネス ネットショップのその後

<検証ECビジネス ネットショップのその後>第24回 イートレンド

2002/12/16 16:51

週刊BCN 2002年12月16日vol.970掲載

 東京・秋葉原にパーツ専門店を構えるイートレンド(榊原繁雄社長)は、ショッピングサイトでの情報提供に注力し、顧客の囲い込みを図る。同社では、「ノートパソコン向け各種パーツ対応データベース」という名称で各パソコンメーカーのノートパソコンとパーツを検証したコーナーを設けた。同コーナーでは、消費者がノートをアップグレードする際に、どのパーツが最適なのかを把握できる。

顧客本位の情報を発信 価格以外で実売につなげる

 榊原社長は、「実店舗に限らず、サイトでも接客や商品説明などを行うことが実売につながる。そのため、実店舗のノウハウを生かした情報を配信することで実売につなげる」と話す。サイトでは、ハードディスクやメモリなどのパーツをはじめ、ノート用のアクセサリー、デジタルカメラの周辺機器などを販売。「品揃えを豊富するのではなく、数百アイテムに絞り込んだ」としている。

 ハードディスクについては換装サービスを提供しており、パソコンアップグレードの即日完了を徹底する。とくに、一部のパソコン機種では2000円の低価格を実現した。ほかには、ノートとハードディスク、メモリなどとの相性保証サービスや、IBM製ハードディスクのリサイクルサービスなども行っている。納期は、夕方5時までの注文については翌日配送を徹底する。関東圏では、午前11時までの注文で当日配送するサービスを用意した。同社は2000年4月に設立し、同年5月にサイトを立ち上げた。黒字化は初年度に達成。今年度(03年2月期)の売上高は7億5000万円の見通しだ。

 ネット販売については、「売上高を伸ばすために、低価格化で差別化を図っても利益を伸ばすことが難しい。消費者にとって有益な情報を配信し、サイトへの閲覧率を高めることが重要だ」と強調しており、「サイトを毎日更新することがネットビジネスを拡大する要因」と指摘する。今後は、デジカメ周辺機器で有益な情報を提供するため、各メーカーのデジカメと周辺機器を検証した情報をデータベース化することを計画する。(佐相彰彦)
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