店頭市場ピックアップ

デジタルカメラの販売動向

2003/08/04 16:51

週刊BCN 2003年08月04日vol.1001掲載

シェア争奪戦、上位3社が急接近

差はわずか0.31ポイント

 台数・金額ともに、前年同期の約60%増――。BCNランキングの週次データをもとにした、デジタルカメラ市場の6-7月の平均値だ。依然、著しい成長を見せるデジカメ市場。夏商戦の6-7月も前年の出荷台数を大幅に上回る状況が続いている。

 熾烈なトップシェア争いも相変わらずだ。図は、BCNランキングにおける直近7週間のベンダー別台数シェア推移を表した。最新の7月21―27日の週次データでは、トップはソニーで、以下、オリンパス光学工業、キヤノンと続いている。だが、3社間のシェアの開きはわずか0.31ポイント。ここ数週間で最も急接近している。その後をカシオ計算機、富士写真フイルムが追っているが、トップ集団との差はわずか4ポイント程で、トップを奪う可能性を秘めている。

 しかし、富士写真フイルムは昨年に比べて多少元気がない。昨年7月22ー28日のBCNランキング週次データを振り返ると、台数シェア16.3%で2位の座を獲得していた。さらに、今年7月21ー27日の週次データをみると、上位4社が台数で40%以上の伸び率を記録しているのに対し、約15%増と伸び率は低く、金額ベースでみると前年割れの状況だ。

 製品ではキヤノンの「IXY」やオリンパスの「CAMEDIA」など、“コンパクト・スタイリッシュ”モデルが依然売れ筋。だが、富士写真フイルムの青木良和・電子映像事業部営業部長は、「スタイリッシュ・コンパクト機種は、カメラ付携帯電話の高画質化などにより陰りが見えてくるかもしれない。それとは逆に、本格志向のハイスペックモデルなどのニーズは今後高まる」と予測。ラインアップをこれまで以上に充実し、巻き返しを狙う。目まぐるしくトップが入れ替わる市場だけに、各社の戦略からは今後も目が離せない。
  • 1