店頭市場ピックアップ

USBメモリの販売動向

2003/09/29 16:51

週刊BCN 2003年09月29日vol.1008掲載

3月に比べ1.5倍の台数に

初心者、上級者問わず幅広い需要

 USBメモリが好調だ。USBメモリとは、パソコンのUSBインターフェイスに差し込み、ファイルをドラッグ&ドロップするだけでデータの格納が行えるメモリだ。専用のドライバやドライブが不要なので、どのパソコンでも即時に利用でき、簡単にデータの持ち運びができる。この点が初心者、上級者を問わず幅広いユーザーから人気を集めている要因だろう。

 図は、今年3月の販売実績を100とした台数および金額の伸び率推移を表した(BCNランキングの月次データ)。台数ベースでは、3月の水準を下回ったのは5月のみで、その他の月は一貫して3月を上回っている。3月に対し7月は台数で145%、金額で114%と、最近5か月間で最も大きな販売水準を記録。直近の8月でも台数129%、金額107%と、伸び率は多少鈍化したものの、堅調に推移している。

 一方、前年同月比でみると、その伸び率は驚異的だ。8月の月次データでは、台数で前年同月比約6倍、金額でも同約4倍と大幅に伸びている。ベンダー別ではメルコの圧勝だ。8月の月次データでは台数ベースで53.3%のシェアを獲得しており、他社を大きく引き離している。2位は23.3%のシェアでアイ・オー・データ機器、その後にアドテック、プリンストンテクノロジー、ソニーと続く。

 メルコは、昨年12月にトップシェアの座についてから一貫して首位を堅持しており、他社はメルコの牙城を崩せない状態が続いている。市場規模は小さいが、伸び率はパソコン周辺機器の中で、トップレベルだ。昨年の同時期に比べ価格が約半額に下がり、32MBの小容量モデルであれば3000円程度で購入できることや、参入企業が増えていることが、市場の盛り上がりにつながっているようだ。
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