店頭市場ピックアップ

携帯オーディオの販売動向

2003/10/27 16:51

週刊BCN 2003年10月27日vol.1012掲載

松下が首位に返り咲き

品揃え強化が奏功

 携帯オーディオ市場で、松下電器産業が台数ベースでアップルコンピュータからトップシェアを奪い返した。図はBCNランキングの月次データをもとに、上位2社の台数および金額ベースのシェア推移を表した。9月の月次データで、アップルの台数シェアが28.3%であるのに対し、松下電器は29・1%を獲得。金額では40ポイント以上の差をつけてアップルが圧勝しているものの、台数では松下電器が5か月ぶりにトップの座に返り咲いた。

 過去の推移をみると、松下電器は4月の段階ではトップの座にいた。だが、5月にアップルが軽量・小型化を図った「iPod」の新製品3モデルを投入したことでアップルにトップを奪われていた。その後、アップルが5-8月まで首位を堅持し、新「iPod」の牙城を崩せない状況が続いていた。今回、松下電器がトップシェアを奪った要因は、製品ラインアップを豊富に揃えたことが挙げられる。

 アップルがハードディスク(HDD)内蔵モデルのみの5機種に対し、松下電器は「SDカード」対応からCDタイプの製品までラインアップを拡充、計10機種を揃えた。各モデルにカラーバリエーションも数色用意するなどの施策にも取り組んだ。また、松下電器が採用する記録メディア「SDカード」の価格が、半年前に比べると約30%安く、4000円程度(64MBモデル)まで値下がっていることも要因の1つといえる。

 携帯オーディオ市場は、今年に入ってから一貫して台数・金額ともに前年同月を上回っている成長市場だ。直近の9月でも前年同月比で台数25%増、金額7%増となっており、両社も一貫して前年同月以上を売り上げている。両社以外にもソニーマーケティングやソニックブルーなど、3位以下のベンダーも前年水準を上回る成長をみせており、動きは活発だ。上位2社の熾烈なトップ争いとともに、3位以下のベンダーの動きからも目が離せない。
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