全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>2.東京・秋葉原(中)

2003/11/10 18:45

週刊BCN 2003年11月10日vol.1014掲載

 ラオックスが運営するゲームソフトやホビー製品などを集めた大型店舗「アソビットシティ」が堅調に顧客を獲得している。

エンタテインメント性が定着

 秋葉原電気街の中央通りは、「ヤマギワソフト館」をはじめ、「ソフマップ本店アミューズメント館」、「メッセサンオー本店」など、CDやDVD、ゲーム関連のソフトを販売する店舗がひしめいている。

 競合店舗が20歳-30歳代の男性マニアを対象としているのに対し、偏りのない顧客がターゲット。アソビットシティでは、1日平均の来店者数は平日が1万2000-3000人、土日が4万人弱で推移している。

 福田俊之店長は、「平日の昼間は他店と同様にマニア層が圧倒的に多いが、夕方になると会社帰りのビジネスマンが訪れる。また、土日は家族連れが多い」と、競合店舗より幅広い層が来店することを強調する。なかでも、ファミリー層が顧客となったことで、「女性の来店者が全体の2割弱」という。

 アソビットシティは、8階建て、売り場面積が5000平方メートル。秋葉原地区で最大級のショップであるだけでなく、エンタテインメント専門館としては日本最大規模を誇る。1階では、テレビゲーム関連商品を展示。入り口やフロア内に体験コーナーを設け、「大型店舗だからといって品数を多くし、ただ単に商品を並べるだけでは、顧客が、また来よう、という気にならない。“楽しさ”を演出しなければリピーターの数は増えない」と強調する。

 ホビー関連商品を展示する5階では、全長16メートルのシューティングレンジを設置。モデルガンの試し打ちが可能だ。パソコンゲームやパソコン周辺機器を取り扱う6階では、オンラインゲームの体験コーナーを設置。こうした取り組みにより、「リピート率は95%に達している」と自信をみせる。

 ラオックスは、「ザ・コンピュータGAME館」や「HOBBY館」、「楽器館」などでエンタテインメント性が高い商品の販売ノウハウを積み重ねてきた。

 GAME館では、競合店舗と同様、マニアックなゲームユーザーが顧客の中心で、年齢でいえば中学生から30歳代が多かったという。しかし、アソビットシティは5歳から50歳を過ぎたユーザーまで来店する。展示アイテム・展示量・提案性などの面で他店を凌駕する大型エンタテインメント総合店として差別化を図ったことが奏効した。

 アソビットシティがオープンしたのは02年10月10日。この大型エンタテインメント総合店の出現から1年で、東京・秋葉原電気街の中央通りがハード一辺倒から、「エンタテインメント地域」へと変貌したといえる。(佐相彰彦)
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