店頭流通

マイクロソフト オフィス2003のデモ、全国約60店舗で実施 店頭で安定需要見込める商材に

2003/11/10 18:45

週刊BCN 2003年11月10日vol.1014掲載

 マイクロソフトは「オフィス2003」のショップでの販売方法で新戦略を打ち出す。従来、オフィス向けアプリケーションのシェア争いが激しかった90年代は、パソコンショップなど店頭チャネルでの露出度が全体のシェアを左右する重要な要素となっていた。しかし、マイクロソフトの独り勝ちで安定的なシェアを確保した現在では、オフィスの新機能を告知し、年間を通じて安定した需要を確保することが必要になっている。

 マイクロソフトは、オフィス製品の最新版「オフィス2003」のパッケージ版を、10月末から全国のパソコンショップなどで販売を開始。これまでは、発売後約3か月間に販売本数が集中していたが、今回の「オフィス2003」では、年間を通じて安定した販売数を確保するための新戦略を打ち出す。この背景には、同製品がウインドウズXPおよびウィンドウズ2000上でしか稼働しない点などがある。

 小山剛司・パーソナルシステム事業部リテール営業部長(=写真)は、「今回のオフィス2003は、前作のオフィスXPの販売本数に比べて1-2割少なく見積もっている。これは、ウィンドウズ98、Me以前のOS(基本ソフト)を使っているコンシューマユーザーの比率が高く、オフィス2003はまだ敷居が高いため」と説明する。しかし、「その分、年間を通じて安定的に販売する商材と位置づけている」と、爆発的に売れるのではなく、需要が徐々に広がっていくと見ている。また、ユーザーや販売店の中には、「コンシューマユーザーにとって、オフィス2003に乗り換える利点が少ないのではないか」という疑問も根強い。

 現に、オフィス2003の主な新機能のうち、情報漏洩を防止するセキュリティ機能や、XML連携機能は企業ユーザーには大きな利点があるものの、個人ユーザーにはまったく必要がないケースも多そうだ。これに対してマイクロソフトでは、10月17日から11月9日までの期間で、全国約60店舗、延べ400回のオフィス2003新製品デモンストレーションを開催。コンシューマやSOHO・中小企業向けに追加された新機能を中心に、その利便性を訴えた。オフィス2003の認知度を高め、年間を通じて、安定した販売本数を確保するというわけだ。同社では、「オフィスシリーズの社会的な認知度を高めるには、店頭チャネルでの販売が、最も効果的」として、今後とも店頭チャネルを通じた販売に力を入れていく方針だ。
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外部リンク

http://www.microsoft.com/japan/