店頭流通

パソコン販売店・家電量販店 テナント出店で新しい顧客層を開拓 百貨店や大型商業施設内に進出

2004/03/08 16:51

週刊BCN 2004年03月08日vol.1030掲載

 百貨店や複合商業施設にテナント出店しているパソコン専門店や家電量販店が自社のブランドイメージを払拭することで新しい顧客層を開拓している。テナント出店は、高齢者や女性など独立店では比較的獲得できていない顧客層を確実に開拓できるのが最大の強みだ。

 ビックカメラは、東京・新宿駅西口にある小田急ハルク内に「新宿西口店」や、JR大宮駅(埼玉県さいたま市)前のそごう大宮店パーキング館内に「大宮西口そごう店」などを出店している。

 百貨店内へのテナント出店について、宮嶋宏幸・取締役営業本部長は、「男性客の来店が多いというイメージを払拭し、女性やファミリーなど、誰もが来店できるという効果がある」とメリットを挙げる。新宿西口店の塚本智明・執行役員営業部長兼店長は、「平日は主婦層を中心に女性が来店しており、顧客全体の3-4割を占めている」と、新規顧客層を開拓しているとする。

 ラオックスでは、千葉県市川市の商業複合施設「ニッケコルトンプラザ」にあるダイエーコルトンプラザ内にコルトンプラザ店をテナント出店している。同施設は、JR本八幡駅およびJR下総中山駅から徒歩10分程度と、駅前から若干離れた場所にあるものの、本八幡駅から無料シャトルバスが15分間隔で運行しており、平日の午前中でも賑わいをみせている。

 植木基陽店長は、「平日の午前中は高齢者が白物家電を中心に、製品機能の説明を聞きに来店する」という。土日は、「2500台収容できる駐車場や、飲食店や映画館、ショッピングモール、スポーツ施設などが集まっていることから、遠方からでも家族連れや若いカップルなどが来店する」としている。

 埼玉県さいたま市のJR大宮駅前にある「大宮アルシェ」の1階に店舗を構えるソフマップGIGA STORE大宮店では、「店頭前にアルシェが運営するイベント会場があり、定期的に音楽ライブなどのイベントが開催される。その際は、10歳代から20歳代前半の若者が多く来店するケースもある」(上村信一店長)という。

 ヨドバシカメラは、神奈川県川崎地区の川崎ルフロン内に、大型店舗「マルチメディア川崎ルフロン」を3月3日にオープンした。川崎ルフロンは学生の来店が多く、「ほかの店舗で買い物したついでに足を運ぶという相乗効果がある」(藤沢昭和社長)とみている。

 今後は、この顧客を優良固定客として定着させることが各ショップの腕の見せ所。ラオックスコルトンプラザ店の植木店長は、「ほかのテナントとの連携を図っていきたい」としている。
  • 1