店頭流通

ヤマダ電機 4年以内に売上1兆5000億円規模へ 今年度に1兆円突破見込む

2004/05/24 18:45

週刊BCN 2004年05月24日vol.1040掲載

 ヤマダ電機(山田昇社長)が2008年度(09年3月期)までに売上高1兆5000億円規模の企業に成長する目標を打ち立てた。今年度は、都市型店舗の出店に着手するほか、ディスカウントストア(DS)業態導入の加速、商品では中古品や同社ブランドのパソコン販売強化などに取り組む。新しい戦略の実行に乗り出すことで、まずは今年度(05年3月期)に1兆円超の売上高をクリアする。

 03年度(04年3月期)のヤマダ電機の売上高は前年度比18.3%増の9391億3700万円と1兆円目前まで迫った。 今年度は、売上高を前年度比15.1%増の1兆808億円と1兆円突破を見込み、競合他社を引き離す。08年度までに1兆5000億円の売上規模へ成長することを目指す。「プライスリーダーとしての地位をさらに確立していく」(茂木守・専務取締役経営企画室長)ことが狙いだ。価格面では、今年度からポイント制と現金還元を併用した戦略を一層加速させることで、競合他社に対する優位性をさらに高める。

 今年度に1兆円を超える売上高を達成するために、出店計画では48店舗を予定するなど店舗数の拡大を加速。6月11日オープンの「テックランド広島中央本店」では、広島・新天地という立地条件から、「初の都市型店舗を試みる」という。広島での新店舗戦略を試金石とし、来年度には大阪・難波に出店することも計画している。

 テックランドのフロア戦略については、ディスカウントストアのダイクマを子会社化したことにより、店内にブランド品の時計やバッグ、宝石類などをリーズナブルな価格で販売する「DS業態」のコーナーを設置することを進め、男性に比べ家電量販店に来店する機会が少ない女性層も顧客として獲得していく。「複数の既存店にDS業態を導入したところ、今年度はじめの4月は既存店の売り上げが前年同月の105.1%と幸先の良いスタートを切った」と自信をみせる。今後は、新規店や既存店の区別なく順次DS業態のコーナーを設けていく。

 商品では、インバースネットの子会社化により、パソコンをはじめとした中古品の販売を強化。加えて、ホワイトボックスビジネスの拡大を加速するため、BTO(注文生産)パソコンメーカーの神代を買収したことで、自社ブランド製品「フロンティア」をこのほど発売した。ヤマダ電機では、「ナショナルブランド」と呼ばれるNECや富士通などメーカー製パソコンの販売台数は、1年間で100万台弱。一方、ホワイトボックスやリユースパソコンの販売が台数ベースで10%以下にとどまるという。「この比率を近い将来に20%まで引き上げる」ことを目標としている。
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