店頭流通

ギガスケーズデンキ 2010年度に売り上げ1兆円超へ 事業統合で年率25%増を確保

2004/06/28 16:51

週刊BCN 2004年06月28日vol.1045掲載

 ギガスケーズデンキ(加藤修一社長)は、2010年度(11年3月期)まで年率25%の売上高成長率を維持し、10年度に売上高1兆円超を達成する方針を明らかにした。今年度は、ギガスとの事業統合で売上高は前年度の1.4倍にあたる3080億円となる見通し。今後7年間で3倍以上の売り上げ規模を目指すことになる。さらに、今年10月1日には八千代ムセン電機との事業統合も控えており、売り上げ拡大を加速する。店舗戦略では、3000平方メートル級の大型店舗を出店計画のメインに据えている。今年度にまず全店舗の総売り場面積が4万平方メートル増える見通し。

 04年度(05年3月期)の連結業績見通しは、売上高が前年度比40%増の3080億円、営業利益が同5.2%増の33億円、経常利益が同36.7%増の83億5000万円、最終利益で同55.9%増の48億円を予想している。今年4月1日付で中堅家電量販店のギガスと事業統合を行ったことが大幅な増収増益に寄与する。

 さらに今年10月1日には、八千代ムセン電機との事業統合を予定。八千代ムセン電機が今年度の売上高を650億円と見込んでいるため、単純計算では04年度の売上高は3730億円となる。この数値は、ベスト電器の今年度(05年2月期)売上見通しの3700億円を追い抜き、家電量販店業界でマーケットシェア6位に浮上することになる。

 加藤社長は、今後の売上高成長率について、「年率25%増を確保する」と自信を見せており、2010年度には1兆円を超える売上規模にまで引き上げる方針だ。

 ギガスと八千代ムセン電機との事業統合は、「全国規模に店舗網が広がる」(加藤社長)のが最大のメリット。昨年度までは関東地区は直営店、東北地区は東北ケーズデンキ、北海道や四国、九州地区はフランチャイズ方式で出店してきた。これに加え、今年度はギガスの本拠地である中京地区での店舗基盤を強化。本社が大阪市にある八千代ムセン電機との事業統合後は近畿地区でのマーケットシェアも確保することになる。

 出店では、売り場面積が3000平方メートル級の大型店舗がメインとなる。今年度の出店計画17店舗のうち、11店舗が3000平方メートル前後。下期には、群馬県に約6000平方メートルの前橋本店、栃木県に8000平方メートル程度のインターパーク宇都宮店を出店する計画。一方、閉鎖は、不採算店および小規模店舗を中心に13店舗を予定。店舗数の純増は4店舗で、総売り場面積は4万平方メートル程度の増加となる。「各地域で最も売り場面積が大きな店舗」をコンセプトに出店戦略を立てることにより、出店する各地域でのマーケットシェアを20%と見込み、全国規模では10%のシェア確保を目指す。

 加藤社長は、「家電量販の競争が激化しているなか、事業統合で規模を拡大することは重要」と強調しており、「条件が合えば、今後も事業統合を行っていきたい」と、中堅量販店を対象にした事業統合で規模拡大を進める考えだ。
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