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文書管理ソフトの販売動向

2004/07/05 16:51

週刊BCN 2004年07月05日vol.1046掲載

「いきなりPDF」が急増

名刺OCRも必須アイテムに

 PDFやOCRソフトなど、文書管理ソフトが伸びている。6月21-27日の週では、文書管理ソフト全体の販売本数が前年同週比で158%まで成長した。この堅調な伸びを牽引しているのは、ソースネクストが3月に1980円(税別)で出した「いきなりPDF」と、メディアドライブやエー・アイ・ソフトなどのスキャナ付き名刺管理OCRソフト。どちらも「ビジネスマンの必須アイテムとなりつつある」(大手パソコン量販店)と、安定した需要が見込めるソフトとして定着してきたようだ。

 PDFソフトは昨年前半まで、3万円台のソフトを出すアドビシステムズが1社でほぼ独占していた。PDFソフトが文書管理ソフトの販売本数に占める割合は、昨年12月29日から今年1月4日の週で18.6%だった。しかし、低価格の「いきなりPDF」が、6月21-27日の週に機種別販売本数シェアで20.4%を占めるなど順調に成長。これが影響して、4月以降のPDFソフトは、文書管理ソフトの販売本数のうち、安定して4割台の比率を獲得している。

 文書管理ソフトでは最近、OCRソフトもシェア3割台をキープしている。なかでも、2年ほど前までは2-3万円だったスキャナ付き名刺管理ソフトが、昨年後半から1万円前後で発売されるようになり、値頃感を背景に順調に販売本数を伸ばしている。

 スキャナ付き名刺管理ソフトを国内で初めて製品化したメディアドライブとエー・アイ・ソフトは、今年に入り、文書管理ソフトのベンダー別販売本数シェアでアドビシステムズを抜き、ソースネクストに次ぐ2、3位を争っている。両社の場合、紙文書の活字・手書き文字を読み取りPDFファイルなどで保存するファイリング関連のOCRソフトも伸ばしている。

 一方、文書管理ソフトで昨年末まで販売本数シェアで5割弱を占めていた翻訳ソフトは、6月21-27日の週で27.9%まで減少。ウェブ上で無料の翻訳ツールが増えたことが要因のようだ。
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