店頭流通

OAシステムプラザ大須 組立パソコン用のパーツを拡販 粗利率の向上で利益確保

2004/07/12 18:45

週刊BCN 2004年07月12日vol.1047掲載

 パソコン専門店のオーエー・システム・プラザ(大喜章徳社長)は、旗艦店「OAシステムプラザ大須店」(名古屋市中区)で組立パソコン用パーツの拡販に乗り出す。パーツコーナーの売り場面積を増床し、パソコン本体よりも粗利率が高い商材の販売を強化することで、売上減でも利益を確保できる体制を築く。名古屋地区では、ビックカメラやヤマダ電機などがパソコン本体の販売で強力な店舗を構えている。パソコン専門店として、カメラ量販店や家電量販店との差別化を図るための策を講じた格好だ。

 大須電気街に店舗を構えるOAシステムプラザ大須店では、組立パソコン用パーツの販売が、2004年4-6月に前年同期比30%増以上と好調だった。ビジネスの柱になりつつあるため、6月中旬からはパーツコーナーをリニューアル。1フロアの2分の1以下だった売り場スペースを1フロア全体に広げて、2倍以上の増床を図り、アイテム数を増やした。

 衛藤正博・常務取締役大須地区統括兼大須店長は、「パーツの販売増にともない、液晶モニタなども売れている。パーツを豊富に揃えることは、他のパソコン関連機器の拡販にもつながる」と、売り場面積を大幅に広げた理由を話す。

 パソコン本体の販売が不振だったことから、今年度(04年9月期)の大須店の売上高は前年度比20%減となる見通しだ。しかし、「売り上げは減少するものの、粗利率が高い商材の販売が増加すれば、利益を確保できる」(衛藤常務取締役)と自信をみせる。パーツの売上高については、前年度比40%増を見込んでいる。

 名古屋地区では、名古屋駅前や郊外にカメラ量販店や郊外型家電量販店が相次ぎ出店し、オーバーストア化の傾向になりつつある。JR名古屋駅前にビックカメラが名古屋駅西店を出店し、低価格競争やポイント還元率合戦が一段と激しくなっている。どの店舗でも販売しているナショナルブランドのパソコンは、価格の安さやポイント還元率の高さを購入の目安にするユーザーが増えている。

 名古屋駅前や郊外でパソコンを購入できる環境が整ってきたことから、日本の3大電気街の1つである大須地区では、パソコン中級者や初級者、ファミリー層などの顧客が減少傾向にある。しかし、パソコンマニアや上級者層が大須地区を訪れる機会は増えている。

 大須PC販売店協会(大須PC店会)の会長でもある衛藤常務は、「大須の魅力が再度認識されるようになったからではないか」とみており、「組立パソコン用パーツに関してはユーザーのニーズに合った商品を販売しているショップが好まれる」と強調。大須PC店会では得意分野をもつことで、他の地区に対する優位性を確保したい考えだ。
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