店頭流通

九十九電機 日本HPのダイレクトモデル、取り扱い開始 ネットで企業ユーザー獲得へ

2004/08/02 18:45

週刊BCN 2004年08月02日vol.1050掲載

 九十九電機(鈴木淳一社長)は、インターネット通販サイト「ツクモネットショップ」で企業ユーザーの開拓に乗り出す。日本ヒューレット・パッカード(日本HP)のオンラインストア「HPダイレクトプラス」で提供しているBTO(受注生産)パソコンやサーバー、プロジェクタなどの販売を7月15日から開始した。販売開始後1年間で顧客企業数を20%増に引き上げる方針。

 九十九電機の「ツクモネットショップ」は、イーマシーンズや同社オリジナルのパソコンをはじめ、組立パソコン用パーツ、PCサプライ、ソフトウェアなどで4万アイテムを取り扱う。これに、HPの「HPダイレクトプラス」で扱う2万弱のアイテムを加えることになり、アイテムの数は6万に上る。HP製品はBTOパソコンをはじめ、サーバーやプリンタ、プロジェクタなど企業向けの製品が多い。

「これまでサイトで獲得したユーザーは、個人が圧倒的に多く、今後もネットショップビジネスがコンシューマを中心に大幅に伸びることは間違いない。これに加え、サイトを通じて企業の新規ユーザーも獲得していく」(後藤大和・第一営業本部販売促進部部長)方針だ。

 7月15日の開始から約2週間が経過した7月27日の時点での購入者層は「当社の既存ユーザーが大半。デスクトップパソコンやノートパソコンを中心に順調な売れ行き」と手応えを感じている様子。同社のコンシューマユーザーにとってはパソコンのラインアップが増えたことになり、競合サイトとの差別化にもつながっているようだ。

 さらに、「2-3台ではあるものの、複数台の注文も出てきており、企業の新規顧客も獲得している」という。現段階の顧客企業については明らかにしていないものの、今後1年間で企業ユーザー数を現状から20%増やすことを目指す。

 今回の販売に関しては、取り扱っているHP製品がオンラインストア限定モデルという点から、ツクモネットショップを窓口とし、九十九電機の注文を受けてHPがユーザーに発送することになる。

 そのため、デルの店頭でのインターネット販売「デル・リアル・サイト」と同様、ショップにとっては在庫を持たずに済み、商品が売れれば利益を確保できるというメリットがある。店頭売りに加え、メーカーとパソコン専門店および家電量販店のパートナーシップをさらに深めるという点では、メーカーのネットショップ限定モデルを小売店のネットショップで販売するといった販売形態が広がる可能性が出てきた。
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