店頭流通

マックストア デジタル家電向けHDD供給を本格化 カーナビ搭載にも参入へ

2004/08/09 16:51

週刊BCN 2004年08月09日vol.1051掲載

 米マックストア(カリフォルニア州、ポール・タファーノ社長兼CEO)は、HDD(ハードディスク)レコーダーなどのデジタル家電向けのHDD開発・販売を本格化している。HDDの主力分野であるエンタープライズとパソコン向けのストレージ製品に加え、デジタル家電の普及に対応し、、、

 米マックストア(カリフォルニア州、ポール・タファーノ社長兼CEO)は、HDD(ハードディスク)レコーダーなどのデジタル家電向けのHDD開発・販売を本格化している。HDDの主力分野であるエンタープライズとパソコン向けのストレージ製品に加え、デジタル家電の普及に対応し、デジタルホームエンターテインメント分野の営業展開を加速する考えだ。全世界のセールスを担当するカート・リチャーズ・シニア・バイスプレジデントに、デジタルエンターテインメント分野の開拓戦略を聞いた。

 ──デジタル家電向けのHDD販売を強化している。

 デジタルデータの容量は企業・個人市場合わせ全体で、2年以内に現在の2倍に達すると予測している。その中でも、HDDレコーダーなどのパソコンを必要としないデジタル家電製品向け市場、つまりデジタルホームエンターテインメント分野は今後、最も伸びると予測しており、HDDメーカーであるマックストアが力を入れるのは当然だ。これまでマックストアは主に、企業の情報システムのバックアップ用途に使われるストレージ製品と、クライアント(パソコン)向けHDD製品の2つの分野を主力に事業展開してきた。今後は、この2分野にデジタルホームエンターテインメント分野を加え、3本柱で事業展開していくことになる。

 ──具体的な実績と今後の展開は。

 特に今は、急速にワールドワイドで普及しているHDDレコーダー向け製品が好調だ。3.5インチのHDDを東芝や日本ビクターなど日本のメーカーを中心に世界約40社に出荷しており、この分野でのシェアは70%を超えている。HDDレコーダーやゲーム機器、セットトップボックスなど、パソコン以外のデジタルコンシューマ機器向けの3.5インチHDDの製品開発を、6-7年前から手がけてきた先行メリットが生きている。

 今後は確実にこの分野でのシェアを拡大させるとともに、新たなジャンルを開拓していきたい。例えば、カーナビゲーションシステムは今後HDDを搭載するモデルが増えるのは確実であり、今のところ実績はないが、車載情報端末メーカーへのセールスを積極化していく。そのほか、ジュークボックスなど、対象とするカテゴリーは増えていくだろう。また、中長期的に見れば、パソコンやオーディオプレイヤー、DVDレコーダーなどのデジタル機器が1つのネットワークでつながり、音楽や画像といったあらゆるコンテンツを1つのストレージ製品で保存・一元管理するニーズも出てくるだろう。デジタル家電メーカーとの連携を図ることも今以上に重要になる。

 ──生産体制は拡大させるのか。

 現在シンガポールの工場で98%製造しており、1週間で100万台のHDDを製造できる体制を整えている。今年は中国にも製造拠点を設立し、さらに生産能力を高めた。中国の製造工場はまだ稼動したばかりでテスト運用の段階だが、なるべく早く軌道に乗せ、中国とシンガポールの2つの製造拠点でコストバランスを取りながら需要に対応していく。
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