宮城県仙台市における家電量販店のマーケットシェア争いは、駅前と郊外でユーザーの2極化がはっきりとしてきた。

駅前と郊外にユーザーが2極化

 宮城県が本拠地のデンコードーや、全国規模でマーケットシェアの拡大を図っているヤマダ電機、店舗の大型化を急ぐコジマ、九州地区で圧倒的な知名度を誇るベスト電器などが郊外店舗で地元住民の確保に力を入れる一方、JR仙台駅でヨドバシカメラが出張や駅前のビジネス街に勤務する会社員を中心に来店者を多く集めている。

 人口100万人の仙台市は、市内や県内のみならず近隣県までもカバーするなど、商圏は大きい。その半面、東北地区のマーケットシェア拡大を目指して家電量販店が相次ぎ出店。過剰出店の傾向も出始めており、生き残りをかけたシェア争いが激しさを増している。

 仙台市で最も店舗数が多いのはデンコードー。市内では7店舗を構える。それに加えて、宮城県内では22店舗を出店している。県内で競合他社を凌駕する店舗数と、宮城県が本拠地という圧倒的な知名度で確固たる地位を築いてきた。デンコードーに対し、家電量販業界トップのヤマダ電機は、県内6店舗を出店しており、そのうち5店舗が仙台市に集中。マーケットシェアの拡大に力を注いでいる。

 仙台市の郊外に出店し、地元住民を獲得していくためには、ドミナント方式(高密度多店舗出店)が最適な出店戦略といえそうだ。市内の各地域に出店することで、ブランド力の向上や、市内のどこに買い物に行っても店舗があるという安心感から、ポイントカードなど会員顧客の増加につながる。

 しかも、市内各店での共通したセール開催で商品の一括仕入れが可能なことに加え、配布するチラシも統一するなど、仕入コストや販売費および一般管理費の削減にも効果がある。

 コジマは、県内での出店が7店舗、市内が3店舗。ベスト電器は宮城県に8店舗で仙台市内には2店舗だ。ベスト電器は、県内での出店数はヤマダ電機に勝っているものの、市内での出店が少ない。「まずは仙台市での知名度を上げることが先決」(ベスト電器・仙台店の森永省三店長)という。

 一方、ヨドバシカメラは市内での出店がJR仙台駅前の「マルチメディア仙台」1店舗のみ。しかし、駅前の好立地と、商品アイテム数が60万点以上という品揃えでユーザーを着々と獲得。駅前でパソコンや家電機器などを購入できるという利便性が知名度向上につながっている。(佐相彰彦)