店頭流通

ブラザー モノクロレーザー複合機の新製品投入 潜在需要掘り起こし、シェアアップも

2005/07/04 18:45

週刊BCN 2005年07月04日vol.1095掲載

 ブラザー工業(平田誠一社長)は、モノクロのレーザーデジタル複合機の新製品「マルチファンクションセンター」4モデルを7月1日から順次発売するが、「SOHO市場における潜在需要の掘り起こしに全力を挙げ、市場拡大と同時にシェアアップを図る」(大澤敏明・インフォメーション・アンド・ドキュメントカンパニー営業企画部国内推進グループプロフェッショナル・マネジャー)意向だ。

 現在、店頭ルートにおけるデジタル複合機市場はインクジェット方式が圧倒的比重を占め、レーザープリンタ方式は約0.5%(BCNランキングによる)の比重しかないが、「だから大きな潜在マーケットが眠っている」(大澤プロフェッショナル・マネジャー)というのが同社の見解だ。

「これまで当社は、カラー複合機はインクジェット、モノクロ複合機はレーザーでやってきたが、レーザーの場合、高さが問題視され、圧迫感があるとよく言われた。これを解消したのが今回の新製品で、例えばDCP-7010の高さは25センチだ。これなら机の上に置いても座ったまま操作が可能で、圧迫感はない。また、同機の実売価格は3万円弱を想定しており、この面のインパクトも大きい」として、プリンタ、コピー、スキャナの3大機能に絞ったDCP-7010を先兵に市場拡大に当たる。

 今回の新製品は、①ファクス、プリンタ、デジタルコピー、スキャナ、PCファクス、ネックワーク機能を持った「MFC-7820N」(希望小売価格9万4500円)、②同機からネットワーク機能を外した「MFC-7420」(8万4000円)、③プリンタ、デジタルコピー、スキャナに絞った「DCP-7010」(5万2500円)、④ファクス、プリンタ、デジタルコピー、PCファクス(送信のみ)機能を持った「FAX-2810」(7万3500円)の4機種。プリント、コピースピードは各毎分20枚。

「欧米では、デジタル複合機はSOHOを中心に急速に市場は拡大している。日本でもそれなりに成長しているが、モノクロで十分という潜在マーケットは大きいはずだ。例えば、店舗のバックヤードや窓口業務の横に置いたりと、省スペースで高さも低いことからくる新しい用途はたくさんある」(同)と見ている。

 当面のライバルはキヤノン。BCNランキングによると、レーザー複合機に限った場合、キヤノン70%弱、ブラザー工業30%弱、そこにセイコーエプソンが絡むという形で商戦が展開されているが、「DCP-7010なら、キヤノンのMF3110と対等以上に戦える」(同)として、一気にシェアアップを図る構えを見せる。

 なお、「店頭ルートに加え、量販店の法人ルートや訪販系ディーラーにも積極的に働きかけ、パートナーを増やしていく」(同)と、販売店の拡大にも力を入れる意向だ。

 また、7月13日の東京会場を皮切りに、「ブラザー情報機器プライベートフェア2005」を全国6都市で開催する。
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