店頭流通

東芝 携帯オーディオプレーヤー「ギガビート」の販売強化 女性層や法人向けニーズを開拓

2005/07/18 18:45

週刊BCN 2005年07月18日vol.1097掲載

 東芝(西田厚聰社長)は、HDD(ハードディスクドライブ)搭載の携帯オーディオプレーヤー「ギガビート」の販売戦略を強化する。5月から販売を開始した新製品では、音楽データだけでなく、デジタルカメラの画像を保存、表示できるモデルを増やしており、今後、「デジタルカメラとの親和性などの機能強化を図っていく方針」(加茂朗・モバイルギガ事業部モバイルギガ営業部国内担当部長代理)だ。今年の冬商戦には、女性層拡大のための製品投入を検討。さらにBtoB向けに行っているストレージデバイス的な提案も一段と進めていく。

 同社が5月に販売開始したギガビートの新製品は、従来モデルに比べ軽量、薄型化を図ったモデルのほか、フォトビューワ機能搭載モデルを拡充するなど、ラインアップを強化している。

 現在、ギガビート全体のユーザーは「7-8割が男性」(加茂部長代理)。しかし、フォトビューワ機能付モデルのユーザーは「4割が女性」(同)で、女性層からのフォトビューワ機能に対するニーズが高いという。

 同社の調査では、「ギガビートで写真を見たいという女性が多かった」ことや、「女性は写真を人に見せる傾向が高い」ことが明らかになっており、フォトビューワ機能付きモデルで女性に対するアピールを強化していく。今後、「女性の市場牽引力」にも期待し、事業拡大のために、女性層の獲得に向けたアプローチを強化する。具体的には今年の冬商戦での製品投入をめどに、女性をターゲットとしたデザインや仕様、価格を検討していく。

 一方、音楽を聴くことがメインの携帯オーディオをデータのストレージとして利用するといった活用事例も出てきている。「BtoBでの導入事例はまだ全体の2-3%以下だが、一部の企業はギガビートをデータのストレージデバイスとして導入している」という。

 外付けHDDの主流は120-250GBだが、HDDタイプの携帯オーディオは、10-60GBで手軽に持ち歩けるため、「情報漏えい対策でパソコンを外に持ち出せない場合などに、リスク分散の1つとして利用」している企業もあるという。

 同社では、今後の携帯オーディオへの取り組みとして、コア技術であるHDD、テレビやDVDレコーダーなどの音質の技術、同社製の携帯電話の液晶画面と同じ技術を使ったフォトビューワなどを強みに、デジタルカメラとの親和性の検討を含めて製品強化を図っていく。これと並行して、動画再生機能については、市場ニーズを探り、着手するか否かを含めて検討していく方針だ。
  • 1