店頭流通

ケーズデンキ梅田パワフル館 高齢者を優良顧客に 売上高を年2ケタ成長へ

2005/08/29 16:51

週刊BCN 2005年08月29日vol.1102掲載

 ギガスケーズデンキ(加藤修一社長)の「ケーズデンキ梅田パワフル館」(東京都足立区)は、高齢者を優良顧客として獲得することで順調に売り上げを伸ばしている。同店のオープンは昨年10月21日。ヤマダ電機やコジマなどが大型店を構える激戦エリアで、パソコンや薄型テレビの出張サポートなどで競合店との差別化を図っている。売上高は年率2ケタ成長を目指す。

 ケーズデンキ梅田パワフル館は、東京都足立区梅田のショッピングモール「ショッピングタウンカリブ」内に店を構えている。地上2階建ての構成で、売り場面積は約960平方メートルと周辺の競合店と比べ小規模だが、薄型テレビやDVDレコーダーなどのデジタルAV(音響・映像)機器をはじめ、エアコンや冷蔵庫、洗濯機といった白物家電、パソコンおよび関連機器などを幅広く販売。「競合店に引けを取らない商品アイテムを揃える」(新城晃店長)ことに力を注いでいる。

 デジタルAV機器に関しては、薄型テレビやDVDレコーダー、スピーカーなどを組み合わせたホームシアターの体験コーナーを設置。「店内で実際に体験してもらうことで来店者の購入意欲を刺激することにつながっている」という。なかでも、50型大画面テレビなどを6畳間に設置することを再現したデモコーナーでは、「大画面テレビはリビングなどで見るものだと考えがちだが、個室でも違和感なくテレビ番組などが楽しめる」ことを訴える。「自分の部屋を持つ60歳以上の来店者から好評を得ている」と自信をみせる。

 1日平均の来店者数は平日で1200人程度、休日は2000人以上で推移する。来店者の約3割は60歳以上の高齢者。「店内での接客はもちろん、購入後のサポートも充実させる」ことを徹底しているほか、スタッフが購入者の自宅を訪れ、大型商材の設置なども行う。「分からないことや不具合な点を聞くために、購入者が気軽に来店するようになった」と、地域密着型のサポートで顧客を確保していることをアピールする。

 具体的な売上高は明らかにしていないものの、「オープン以来順調に推移している」という。低価格を武器にマーケットシェアを拡大しようとする競合店とは一線を画した戦略で優良顧客を囲い込み、「年率2ケタ成長を達成する」計画だ。
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