全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>94.千葉県松戸市(上)

2005/09/26 18:45

週刊BCN 2005年09月26日vol.1106掲載

 千葉県松戸市の国道6号線沿いで、家電量販店やパソコン専門店が激しいマーケットシェア争いを繰り広げている。

国道6号線沿いが激戦区

 各社とも、広い売り場面積と駐車場を確保しているという点で共通している。JR常磐線松戸駅から国道6号線に向かうと、家電量販店コジマの「NEW松戸店」が見えてくる。同店は、家電機器やパソコンおよび関連機器の販売だけでなく、ドラッグコーナーも設置。周辺に居住する主婦などを中心に女性が来店することが多い。

 北松戸駅近くの国道6号線沿いには、パソコン専門店のピーシーデポコーポレーションが「PC DEPOT松戸店」、家電量販店のサンキューグループが「100満ボルト松戸店」を出店している。「PC DEPOT松戸店」は、2005年4月29日にオープンした。無料駐車場を90台分完備したほか、パソコン専門店としては珍しいキッズコーナーを店内に設けた。休日には幼児を連れたファミリーが来店するケースも多い。

 「100満ボルト松戸店」のオープンは00年1月で、サンキューグループとしては千葉県に初進出を果たしたショップ。この松戸店を契機として、千葉県での出店を増やしている。石川県金沢市が本拠地であるサンキューグループは、北陸地方を中心にマーケットシェアを伸ばしているが、松戸をはじめとした千葉県内への出店は関東地区の売上高を増やすための橋頭堡となる。

 松戸市民にとって、国道6号線は柏方面や東京方面に行くための主要道路であり、交通量も多い。沿線にある人口14万人の茨城県土浦市も商圏と見ることができるため、家電量販店にとってはテリトリーを広く想定できる。

 松戸市では国道6号線と松戸駅や北松戸駅などJR常磐線の各駅が近いという点からも、電車を利用した買物客も少なくない。休日に車で家電やパソコンを買いに訪れる来店者に加え、帰宅時のサラリーマンや学校帰りに立ち寄る学生なども顧客として獲得できるというわけだ。

 松戸市に出店している店舗は、コジマとピーシーデポコーポレーション、サンキューグループの3社のみ。現段階では、家電量販店という点と関東地区での知名度という点などでコジマが1歩リードしているようだ。しかし、ピーシーデポコーポーレーションは「パソコン専門店」を武器に、他社にはない商材や接客でパソコンユーザーの関心をひく戦略。そしてサンキューグループは、松戸市以外で出店している千葉県内のショップとのドミナント(高密度多店舗展開)を行うことでマーケットシェア拡大を狙っている。(佐相彰彦)
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