店頭流通

中国キングソフト セキュリティソフトで日本市場参入 100万本を1年間無償提供

2005/09/26 18:45

週刊BCN 2005年09月26日vol.1106掲載

 中国のソフト開発メーカー、キングソフト(北京市、レイ・チュイン社長)はこのほど、コンシューマ向けセキュリティソフト「キングソフトインターネットセキュリティ2006」の日本市場での販売を開始した。今年3月に設立した日本法人のキングソフト(広沢一郎社長)を通じて本格展開を目指し、年内に100万ユーザーの獲得を狙う。キングソフトによれば、中国のコンシューマ向けソフトを日本市場で販売するのは初めてという。

 キングソフトインターネットセキュリティ2006は、ウェブサイトからのダウンロード販売のみ。自社ウェブサイトのほか、「ベクター」や「窓の杜」、「エキサイト」など11社のウェブサイトからも提供される。

 また、100万本限定でソフトと1年間の更新サービスを無償提供する。その後の更新費用は980円。100万本を超えた分については半年間無償で提供する予定で、その後は更新費用は同じ980円とする。まずは年内に100万ユーザーの獲得を目指す。法人市場への展開については、「当面は考えていない」(広沢社長)としている。

 広沢社長は、100万本無償配布について、「日本のコンシューマ向けセキュリティソフト市場は大手4社の寡占市場にあり、非常に参入障壁が高い」と市場環境を説明。そのうえで、「技術レベルの高さは中国市場での獲得ユーザー数をみても実証済み。まずは使ってもらうことが重要と考えた」と話す。

 キングソフトインターネットセキュリティ2006は、「中国市場で32.4%のトップシェア」(キングソフト)を占めるソフト「金山毒覇」の日本語版。コンピュータウイルスとスパイウェア対策、パーソナルファイアウォール機能を搭載する。ウイルス対策ではアップデートファイルを1日3回程度配布し、スパイウェア対策では8万種類以上のスパイウェアを検知する。中国市場では2000年から提供開始しており、現在1000万人以上のユーザーがいるという。

 中国キングソフトは、88年に事業開始しており、コンシューマ向けのソフト開発と販売を手がける。セキュリティソフトのほか、オフィスソフト、オンラインゲームソフトも扱う。株式の約30%をレノボグループが保有しており、筆頭株主となっている。
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