店頭流通

JEITA 国内PC出荷が順調に推移 05年暦年は台数で過去最高を記録

2006/02/06 18:45

週刊BCN 2006年02月06日vol.1124掲載

 電子情報技術産業協会(JEITA、岡村正会長)が発表した05年暦年(1-12月)の国内パソコン出荷実績は、台数が1273万8000台(前年比14%増)と過去最高を記録、3年連続でプラス成長となった。出荷金額についても1兆6370億円(同5%増)と堅調に推移した。JEITAでは、個人市場での需要増大が顕著に現れているとしている。

 片山徹・JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会委員長(NEC執行役員専務)は、「暦年では初の1200万台を突破した」と強調する。個人向け市場については「昨年夏以降、AV(音響・映像)機能を搭載したパソコンを中心に買い替え需要や買い増し需要が増えた」と分析、法人向けでは「個人情報保護法などにより、引き続きパソコンのリプレース需要増が堅調だった」としている。

 個人と法人向けの台数比率については、統計はとっていないが、全体の6割強が法人向け、4割弱が個人向けと判断する。年末商戦については「10-12月は、個人向けの出荷台数が通常より若干高かった」と、個人市場が順調だったことをあげる。

 これは、「薄型テレビと遜色ない画質になったことで、購入者にとってはパソコンでテレビを視聴することが一般化しつつあるため」(片山委員長)。デスクトップを中心にデジタル放送に対応したテレビチューナー搭載モデルのラインアップを増やすなど、主要メーカーがAV機能の強化を追求している。実際、家電量販店やパソコン専門店では「年末年始は、パソコン販売が前年同期を上回った」との指摘が多い。AV機能搭載モデルがパソコン本来の機能に加え、テレビ機能とDVDレコーダー機能搭載による利便性を各社が訴え続けることにより、映像ニーズを中心にパソコンの買い替え需要を掘り起こしたことになる。

 05年10-12月出荷実績については、台数が289万台(前年同期比5%増)と伸びたものの、ノートパソコンの単価下落などで金額は3561億円(同8%減)だった。しかし、「個人市場が引き続き活況を呈していることや、法人市場でIT減税の駆け込み需要が見込めるなど、出荷台数については好調が続く」(片山委員長)とみている。そのため、05年度(06年3月期)通期の出荷台数見通しは、7月時点で1250万台の見込みを1270万台に上方修正している。
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