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ソニースタイル・ジャパン PSP用地図ソフト用のコンテンツ提供 ゲーム以外の提案でユーザー拡大目指す

2006/03/06 18:45

週刊BCN 2006年03月06日vol.1128掲載

 ソニースタイル・ジャパン(佐藤一雅代表取締役)は、プレイステーション・ポータブル(PSP)のゲーム用途以外の提案を強化する。このほど、PSP用地図ソフト「みんなの地図」をゼンリン(原田康社長)と共同企画開発し、4月20日に発売する。ソニースタイル・ジャパンは、「みんなの地図」を購入したユーザーに、飲食店情報や観光情報などのコンテンツをECサイト「ソニースタイル」から有料ダウンロードで提供する。

 ユーザーは、コンテンツをメモリースティックにダウンロードして使う仕組みで、PSP本体にUMDメディアの「みんなの地図」を入れ、ソニースタイルからダウンロードした飲食店情報などのメモリースティックを挿すと、地図の上に飲食店情報が表示される仕組み。ユーザーは、地図をベースにして必要な情報をメモリースティックで入れ替えて使えるようになる。

 「みんなの地図」発売と同時に、まずはJTBパブリッシング「全国 観光情報」、グルメぴあ「全国 飲食店情報」など150タイトルを用意する。ソニースタイル・ジャパンでは、「『みんなの地図』ユーザーの半数に、コンテンツを販売したい」(福島秀樹・ダイレクトマーケティング部シニアマーケティングマネージャー)考え。

 販促策として、「みんなの地図」3万枚限定で、ソニースタイルでコンテンツを購入できるクーポンを同梱するほか、無料サンプルの添付を検討しており、その他にもユーザーを誘導する仕掛けを固めていく。また、出版社や雑誌社からコンテンツ提供の協力を得ていることから、出版社と連携した広告展開も見込め、PSP新規ユーザーの掘り起しにもつなげる。

 PSPは、「ゲームだけではユーザーが固定されてしまう」という弱点があり、人気のあるソフトとそうでないソフトに波があるという課題も抱える。ソニースタイル・ジャパンでは、PSPの持つ携帯性を生かして、現在、アニメ、映画などゲーム以外のPSP用ソフト300タイトル程度を有料ダウンロードで提供しており、新しい使い方を提案することで潜在需要の掘り起しを目指している。

 今回発売する地図ソフトは、不特定多数のユーザーを見込める市場。携帯できるPSPの特性を生かし、地図にユーザーの必要に応じたコンテンツを付加価値として提供する。また、海外地図を「みんなの地図」と同様に提供できるようになれば、新たなユーザーも掘り起せる可能性があるとしている。

 携帯電話でも、地図のナビゲーションや、飲食店情報の検索ができるが、「PSPは、携帯電話よりも操作性、視認性がよいことが強み」と、携帯電話とは直接的には競合しないとみている。
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