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コンパクトデジカメの市場動向

2006/03/13 16:51

週刊BCN 2006年03月13日vol.1129掲載

キヤノン6年ぶりの製品発表会

シェア25%狙い一挙に7機種投入

 BCNランキングによる年末年始のコンパクトタイプのデジカメ市場は、前年比90%弱で推移している。撤退メーカーが出るなど、生き残りをかけたシェア争いが過熱している。

 図は、今年2月のメーカー別シェアを表した。首位はカシオ計算機(16.3%)が獲得、2位はキヤノン(16.2%)となっている。カシオは、昨年8月に発売した人気モデル「EXILIM ZOOM EX-Z500」の後継機種にあたる「同EX-Z600」を1月下旬に投入。「人気機種の後継機を春商戦向けに早いタイミングで投入したことが奏功した」(カシオ広報担当)と見ている。

 キヤノン販売は3月7日に、コンパクトタイプのデジタルカメラ「IXY DIGITAL」シリーズおよび「PowerShot」シリーズの春商戦向け新製品合計7機種を発表。同社がコンパクトタイプのデジカメで新製品発表会を開くのは6年ぶりのことで、「7機種を一気に投入するのもまれなケース」(芦澤光二・キヤノン販売常務取締役コンスーママーケティングカンパニープレジデント)と、今回の新製品にかける意気込みを示している。

 国内デジカメ市場は、「量から質への転換期である」とキヤノン販売では見ており、混戦状態にある同市場で「シェア25%を目指し絶対的な地位獲得」に向けた製品展開を図った。

 有限責任中間法人カメラ映像機器工業会による05年の国内デジカメ出荷台数は、844万3000台(前年同期比1.2%減)、06年は827万7000台(同2.0%減)で出荷台数はほぼ横ばいと見ている。キヤノン販売は、新製品のテーマを「Next field」と銘打ち、06年は同社にとってコンパクトデジカメの新たなステージであることを強調している。

 一方カシオは、「国内市場向けには買い替え需要をターゲットとした商品作りが求められる」(広報担当)としたうえで、今後は海外市場への取り組みを強化していく方針だ。

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