店頭流通

日本テクト タッチパネルのPCディスプレイを開発 潜在需要の掘り起こし狙う

2006/05/01 17:00

週刊BCN 2006年05月01日vol.1136掲載

 液晶情報端末メーカーの日本テクト(増岡厳社長)は、独自開発のタッチパネルソフトウェアを搭載した17インチ液晶ディスプレイ「楽たっち」の店頭販売を5月から開始した。まずは九十九電機で売り出したほか、パソコンショップでの販売を順次始める予定。価格はオープンだが、実勢価格を5万9800円と見ており、低価格のパソコンと組み合わせれば10万円以下でもモニタとパソコン本体を揃えられる。20万円前後の高価格帯が主流となるタブレットPCとの差別化を図り、潜在需要を掘り起こす。

 同社が「楽たっち」を発売したのは、パソコン操作の抵抗感をなくしたいというニーズに応えるため。「多くの人々がインターネットやメールの利便性を実感しているが、キーボードやマウス入力に抵抗を持つお年寄りや子供などには受け入れられにくい」(増岡社長)と分析。「パソコンに抵抗感のある人にもネットやメールの利便性を享受して欲しい」と考え、ATMや自動券売機などで利用されるタッチパネルのように簡単なユーザーインターフェースの実現を目指した。

 同社は、医療用ベッドサイドシステムで培ってきたタッチパネル技術を活用することで、パソコン向けタッチパネルディスプレイを開発。タブレットPC用のOSを搭載しなくても、独自開発ソフト「Tタッチ」を搭載したディスプレイ「楽たっち」と、通常のパソコンを接続するとタッチパネルでパソコンが操作できるようになる。ディスプレイに表示されるキーボードは、JIS規格配列のほかに、50音配列への切り替えが可能なほか、手書きメールも送信できる。将来的には、この技術をディスプレイメーカーにOEM提供することも視野に入れるなど、「同じ方向性をもっている企業と、積極的に協力関係を築く」方針。

 同社の昨年度(06年3月期)の売上高は6億円で、今年度は20億円を目指している。
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