店頭流通

エプソン販売 プロジェクタ、前年比20%増と好調 DVD一体型で女性層を獲得

2006/06/05 18:45

週刊BCN 2006年06月05日vol.1140掲載

 エプソン販売の田場博己取締役コンシューマ事業部長によれば、同社の昨年度(2006年3月期)におけるプロジェクタの販売台数が「前年度比20%増」に拡大した。「市場全体の伸び率は約10%」だったが、その数字をさらに上回る結果となった。

 好調な販売をけん引したのは、昨年9月に発売したDVDプレーヤー一体型モデル「EMP-TWD」。同製品は、発売以来、BCNランキングのプロジェクタ部門で首位をキープしている。エプソンはメーカー別シェア50%弱で推移していたが、12月に68.4%に拡大。現在も50-60%と半数を超えるシェアを維持している。

 従来、プロジェクタのユーザー層は「30代以上の男性が中心」で、趣味性の高いニッチな市場だったが、同社は、ホームシアターの潜在的な購買意欲に着目し、需要の掘り起こしを模索してきた。

 DVDプレーヤー一体型プロジェクタは、2つの機能を一体化することによって複雑な配線を減らし、機械が苦手な女性層の獲得を狙った製品だ。狙い通り、「女性層が20%」を占める結果となり、手応えを感じている。

 プロジェクタは、一般家庭で利用するには大がかり過ぎるといったイメージが強い。しかし、店頭で「実際に体感すると購入に結びつくケースが多い」ようだ。

 店頭に家庭のリビングと同じような空間を設営し、最近の製品はより近距離での投影ができることをPRするなど、一般家庭でもテレビとは一味違うDVDやスポーツ観戦などの楽しみ方を提案していく。

 現在、全国の約400店舗で体感できるが、「今年度中には500店舗に拡大する」など、ホームシアターの魅力を訴求する啓蒙活動に力を入れていく方針だ。
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