店頭流通

ユニデン 異業種とのタイアップで実機展示強化 直販路線は崩さず

2006/07/03 18:45

週刊BCN 2006年07月03日vol.1144掲載

 固定電話およびデジタル家電メーカーのユニデン(大森聡社長)は、自社開発・製造の液晶テレビを昨年10月に発売。さらに今年5月から順次、カメラメーカーからのOEMによるデジタルカメラ、パイオニアからのOEMによるプラズマテレビ、DVDレコーダーの販売を開始した。東証1部上場の電機メーカーで初の直販のみの販売形態をとり、「液晶の32V型を中心に好調な販売」(菊地英雄・デジタル家電事業部部長)を続けている。

 液晶テレビは、20V型、27V型、32V型の展開だが、買い替え需要の拡大に合わせて、「14V型程度の小型サイズの製品化も視野に入れる」など、デジタル家電製品の強化を図っていく。

 自社の工場で生産している液晶テレビについては、32V型ワイド液晶テレビ(地デジチューナー未搭載)が10万9800円、37V型は18万9800円(6月13日現在)。BCNランキングによる売れ筋機種の店頭実売価格は、32V型(地デジチューナー搭載)が17万円強、37V型(同)が25万円弱。ユニデンは、「直接顧客のニーズを聞いて商品開発に反映し、最低限必要な機能を搭載した高品質で低価格な商品」を売りにしている。

 液晶テレビを低価格で販売しても利益を出すには「1か月に4000-5000台を販売する」ことが条件となる。ただ、「拡販のためにチャネルを広げれば、流通コストの上昇を招く。それを避けるため、店頭販売は行わない」方針だ。

 しかし、「実物を見て購入したいという声が多かった」。そのため、現在は、実機を見せる方法として今年5月から2007年4月末まで音楽関連製品販売のHMVジャパンの各店舗で、液晶テレビやプラズマテレビ、デジタルカメラの展示を行っている。HMVの客層は、若者が多いというイメージが強いが、実際は40代が多く、薄型テレビのターゲット層と合致しているという。

 HMVの店頭で、ユニデン製品の申し込みは受け付けず、展示のみに徹している。今後もHMVジャパンとのタイアップのように、同社の製品を露出させる展開を強化していく。
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