店頭流通

昭文社 2000円を切る地図ソフト発売へ 地図に自社コンテンツを加え差別化

2006/07/10 18:45

週刊BCN 2006年07月10日vol.1145掲載

 昭文社(黒田茂夫社長)は、今年9月をめどに2000円以下で地図ソフトを店頭販売開始する方針を明らかにした。オンライン地図ソフト「Mapple Online Light(マップルオンラインライト)」をバージョンアップし、引き続きオンライン販売することに加え、新たに家電量販店や書店でパッケージを店頭販売することにより認知度アップを図る。

 同社は、昨年11月にコンシューマ向け製品強化のためオンライン地図ソフト「マップルオンラインライト」のダウンロードサービスを開始。今年2月には販売を本格化させ、現在年間1500円で提供している。同ソフトは、地域情報マガジン「まっぷる」シリーズのコンテンツ資産を生かすとともに、総合レジャーサイト「マップルネット」と連携することで、地図ソフトの差別化を図る。ユーザーは、「まっぷる」マガジンに掲載した情報を無料でダウンロードして地図と組み合わせて使えるため、「地図というよりは、旅行やレジャー情報を後押しできる。地図機能を売るだけでなく、サービスと連携させる」(内田次郎・取締役デジタルコンテンツビジネス本部長)ことを武器に、ユーザーの拡大を目指す。

 しかし、現状では、「まだ認知度の拡大が図れていない」ことが課題。内田取締役は、「ダウンロード購入の場合、購入した実感が薄いため、店頭にパッケージを置かなければユーザーの拡大は図れない」と分析。9月の同オンラインソフトのバージョンアップのタイミングに合わせて店頭のパッケージ展開を行って訴求することにした。

 9月以降は、家電量販店のほか、書籍販売の営業力を生かし、書店での販売も行う。これにより「オンライン、パッケージを含め年間5万本の販売」を目指す。

 同社は、オフラインのパッケージソフト「スーパーマップルデジタル」シリーズも展開しているが、BCNランキング(6月19-25日の週次データ)では、ソースネクスト、ゼンリン、インクリメントP、アルプス社に続くシェア5位となっている。

 現在、同社の地図ソフトの販売本数は「年間で約2万本」。9月に「マップルオンラインライト」の展開を広げることで、同社の地図ソフト全体の販売本数を7万本に引き上げ、シェア拡大を図っていく方針。

 今後はさらに、企業をターゲットとした上位版や、同社の子供向け地図書籍のコンテンツを生かした教育市場向けなど、展開を広げていくことを視野に入れている。
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