店頭流通

ダイアローグ・ジャパン 国内市場に新規参入 ノートPC、モバイルに特化 世界市場に先駆けて日本市場に投入

2006/07/24 16:51

週刊BCN 2006年07月24日vol.1147掲載

 台湾に本社を置くノートパソコンメーカー、ダイアローグの日本拠点であるダイアローグ・ジャパン(東京都新宿区・ジャック・リーCEO)は、8月上旬から日本市場でノートパソコンおよびモバイルノート「FlyBook」シリーズの販売を開始する。国内パソコン市場が激化するなかで、今回新規参入するのは、「今の段階で、競合する製品はない」(吉井孝史・テクニカルサポート&マーケティング・ビジネスプロモーター)ことから、同社のユニークな製品を強みにニーズを掘り起こせると判断した。「ニッチな製品だが、日本市場には『FlyBook』のニーズがある」と自信を示している。

 8月に発売する製品は、12.1ワイド液晶を搭載し、ディスプレイを昇降させて視距離を調整できる「FlyBook VMシリーズ」と、8.9型液晶でタッチパネル入力ができる「同 V33i」の2機種。

 「VMシリーズ」のターゲット層は、ビジネスマンのほか、日本ではノートをデスクトップの代替として使うユーザーも多いことから、これらの層の獲得も見込んでいる。VMシリーズは、開発者自身が感じていた不便さの解決を目指してつくったものだという。予想価格はHDD30GBでメモリ1GBの構成で22万円台。そのほか、メモリ2GBの製品もラインアップする。また、カラーバリエーションとして、レッド、ブラック、シルバー、イエローの4色で展開する。同製品については、世界市場に先駆けて日本で発売する。

 「V33i」については、タブレットPCとしても利用できる。そのほか、携帯電話のSIMカード(電話番号などのユーザーデータを記憶するICカード)スロットを搭載しており、SIMカードを利用して携帯電話のサービス網を使った通信に対応できる。しかし、現在はキャリアと交渉を進めている段階で、「発売前には間に合うようにしたい」考え。予想価格は27万円台としている。

 これらのユニークな製品を訴求するためには、「店頭で実機に触れてもらう環境づくりが最優先の課題」と判断する。そのため加賀電子と準備を進め、まず全国の主要都市にある家電量販店で発売することにした。また、発売と同時期にコールセンターなどのサポート体制を整えて本格的な販売体制を確立していく方針だ。

 ダイアローグは、台湾に本社を置き、ワールドワイドで展開しており、特に「イタリア市場で高いシェアを獲得した経緯がある」という。

 その同社が、日本市場に拠点を開設したのは、R&D拠点を探すという目論見もある。「今年から研究開発を始めても、製品化を実現するまでに2年はかかる」が、2008年以降を目標に、同社が持つモバイルPCの技術と日本市場のニーズを取り込んだ新たな製品を投入したい考えだ。
  • 1