店頭流通

エディオン 売上高1兆円目指し積極出店 08年度中に大型複合店を100店舗

2006/07/31 18:45

週刊BCN 2006年07月31日vol.1148掲載

 エディオンは、2005年4月のミドリ電化との統合や不採算店の統廃合などにより、確実に利益を出せる体制が整ったとして、「2010年に売上高1兆円、経常利益5%を達成する」(久保允誉社長)との目標を打ち出した。そのため大型の複合店舗なども含めて、09年3月までに100店舗の出店を行う計画だ。

 エディオングループの05年度決算は、ミドリ電化の統合や都市型大型店舗の出店などによって、売上高は7146億9700万円(前年同期比163.2%)、経常利益203億8900万円(同182.6%)と、大幅な増収増益となった。さらに、07年7月からはミドリ電化との仕入れの一本化も完了する見通しで、久保社長は「成長性と効率性の追求によって積極的に攻勢に出る体制が整った」として、本格的にヤマダ電機の追撃に乗り出す。

 1兆円達成のための具体的な計画として、09年3月を目標に大阪を中心に西日本地域において100店舗を出店する。これにより、西日本全体の家電量販店売り上げの30%のシェアを獲得し、地域ナンバー1の地位を固める方針だ。

 新規出店するのは、家電を中心に家具、インテリア、玩具、住宅設備、ソフトなどを網羅した新業態の複合店舗が中心になる。4月7日にオープンしたミドリ豊中店(2800坪)、6月30日に開設したエイデン豊田本店(2600坪)は、いずれも家電に加えて、家具や玩具も扱う大型複合店で、従来の家電専門店に比べてより幅広い客層を集客できるのが強み。

 「エイデン豊田本店では、当初月商60億円を予定していたが、非常に好調な立ち上がりで、月商80億円くらいまでのキャパシティはある」と強気の見通しを示す。今後、同様の複合店を人口40─50万人区域に出店して、地域密着型のドミナント戦略を展開していく計画だ。

 愛知に本拠地を置くエイデンでは、こうした新業態店の効果などにより、05年度は売上高1920億円、経常利益は過去最高の48億円と好調な業績となった。岡嶋昇一社長は「一昨年は店舗のスクラップ&ビルドで業績面でも苦しんだが、この回復基調をしっかりと継続していくのが今年の目標」という。とくに「過去最高の売上高は92年度の1998億円で、2000億円にわずかに届かなかっただけに、今年はぜひとも連結ベースで2000億円を超えて、大きな成長路線に踏み出す勝負の年にしたい」と業績拡大に積極的に取り組む姿勢を強調する。

 一方、関東圏については、この7月にエディオングループが33.4%の株式取得を行う秋葉原の石丸電気をパイロット店舗として、関東本格進出のための布石を整える。

 「過去にはドミナント出店できないまま関東に店を出して失敗した苦い経験があるので、今後は十分な準備をしたうえで、09年からは本格的に関東地域への出店を行う」(エディオン・久保社長)としている。
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