店頭流通

東芝 ワンセグ搭載のギガビートが好調 月2万台、予想の2倍の売れ行き

2006/08/28 18:45

週刊BCN 2006年08月28日vol.1151掲載

 東芝が7月15日に販売を開始したワンセグチューナー搭載の携帯オーディオ「ギガビート Vシリーズ」が好調だ。BCNランキングによると、「Vシリーズ」発売前となる5月の同社の携帯オーディオ機種別販売台数シェアは、最高順位が65位だった。しかし、同製品を発売した7月の月次データでは、一気に15位にランクインした。今後は、「Vシリーズ」を「他社にない差別化商品」(加茂朗・デジタルメディアネットワーク社・モバイルギガ事業部モバイルギガ営業部国内担当グループ長)とギガビートシリーズの核に位置づけて、シリーズ全体への相乗効果を狙い、シェア拡大を目指す。

 東芝は、携帯オーディオ「ギガビート」シリーズで、メモリタイプの「Pシリーズ」、HDDタイプの「Sシリーズ」を展開しているが、7月にワンセグチューナー搭載の「Vシリーズ」を加え、3シリーズとなった。

 「Vシリーズ」は、ワンセグエリアがまだ全国に広がっていないことなどから、当初「月に8000-1万台」の販売を見込んでいた。しかし、立ち上がりが順調で、「現在は月に2万台の販売」と、予想の2倍の勢いとなった。加茂グループ長によれば、「携帯オーディオ市場で主流のメモリタイプでは同程度の販売実績はあるが、HDDタイプでは最高」だという。

 この勢いが続けば、「年末商戦ではHDDタイプで20%のシェアを獲得できる手応えを感じる」として、早くも増産体制に着手した。「年末に向けて月に3-4万台供給できる体制を固める」方針だ。

 携帯オーディオ市場全体での同社のシェアは従来、1-2%強だったが、7月には3.2%に上昇した。年末商戦に向けて、「Vシリーズ」を核としたギガビートシリーズ全体の相乗効果を狙い、市場全体で「最低でも10%のシェア獲得」を狙う。

 加茂グループ長は、「オーディオ分野での東芝の認知度は低いが、携帯オーディオのギガビートは東芝全体で培ってきた安心感のあるブランドであることを強みに、しっかり立ち上げたかった。今回の『Vシリーズ』を足場に、ブランド認知度の上昇に拍車をかけたい」としている。

 携帯オーディオ市場では、アップルコンピュータが首位を維持し、2位にソニーが続くという構図は変わっていない。しかし最近、ソニーのシェアが20%台に高まってきたうえに、3位以下に松下電器産業、シャープ、東芝が入り、国内メーカーの台頭が目立っている。

 国内メーカーが勢力を盛り上げているなかで、東芝も認知度を高めて、シェアを伸ばしていきたい考えだ。
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