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人気沸騰! 「一体型PC」 売れ筋とその理由を探る

2008/11/17 16:51

週刊BCN 2008年11月17日vol.1260掲載

「拡張が困難」の短所も

クリックで拡大 最近、液晶一体型デスクトップPCが人気だ。「BCNランキング」の2008年9月のデータを見ても、液晶ディスプレイとパソコン本体を組み合わせた「一体型PC」の占める割合は48.4%と、約半数を占めた。そこで、一体型PCの最新ランキングをチェックしてみた。

設置場所を選ばない一体型PC

 一体型PCは、液晶ディスプレイの裏や、スタンド部分にパソコンの本体機能を組み込んだもの。液晶ディスプレイとパソコン本体で構成されるセパレートタイプのデスクトップPCに比べ、設置面積が小さい。またディスプレイと本体との接続が要らず、電源ケーブル1本で済むため、デスクがスッキリする。

 一体型は、コンパクト化を図るためにノートPC用のパーツを使っていることが多く、スペック面ではノートPCとセパレートタイプPCの中間、というモデルも少なくない。ここでは08年9月の「BCNランキング」から、人気の一体型PCを見ていこう。

No.1は富士通、多彩な機能がウリ

 富士通が8月に発売した「FMV FB70T」は、狭い面積でも設置できる直径わずか21cmの円形フットプレートをスタンド部に採用した省スペースモデルだ。液晶ディスプレイのサイズは19型ワイド。10月21日時点の市場推定価格は17万6000円。

 テレビ視聴機能を搭載し、付属のリモコンで操作できるので液晶テレビとしても利用できる。またDVDドライブ、500GBのHDDを搭載しているので、テレビ番組を録画したり、DVDソフトを再生することも可能。パソコンだけではなく、DVDレコーダー付き液晶テレビとしても利用できるのがウリだ。

 CPUはCore 2 Duo P8400(2.26GHz)、メモリは2GB搭載している。OSはWindows Vista Home Premium with SP1で、Microsoft Office Personal 2007もプリインストール済み。購入したその日からWordやExcelを使うことができる。このほか、90日間使用できるウイルス対策ソフトやホームページ作成ソフト、ハガキ作成ソフトなども入っている。

iMac健闘、ソニーは壁掛け対応

 2位と3位はともに4月発売のアップル「iMac」春モデル。2位は「MB323J/A」、3位は「MB324J/A」で、ともに解像度1680×1050の20型液晶を搭載する。

 2機種とも外観は同じで、クリアワイドスクリーンディスプレイを採用し、さらに酸化皮膜処理したアルミニウムで縁取りしている。また、液晶背面にPC機能を内蔵しながらも最薄部の厚さ約2.4cmとスリムなきょう体である。

 2位の「MB323J/A」は、CPUに2.4 GHzのIntel Core 2 Duoを採用したモデル。メモリは1GB、HDDは250GBで、グラフィックにATI Radeon HD 2400 XT(128MB)を搭載する。市場推定価格は13万9800円。

 一方、3位の「MB324J/A」は、CPUに2.66GHzのIntel Core 2 Duoを採用。メモリは2GBで、HDDは320GB。グラフィックにATI Radeon HD 2400 XT(128MB)を搭載し、市場推定価格は16万9800円。

 4位は「VAIO type L」シリーズの「VGC-LM52DB」だ。解像度1440×900の19型ワイド液晶と、地上デジタルチューナー、DVDスーパーマルチドライブを搭載するほか、リモコンも同梱している。スリムなディスプレイは壁掛け設置が可能なため、リビング用としても活用できる。

 主なスペックはCPUにCeleron 550(2 GHz)、2GBメモリ、500GBのHDD。131万画素のWebカメラを内蔵し、OSはWindows Vista Home Premium with Service Pack 1がプリインストールされている。

用途に合ったモデル選びが重要

 一体型PCはセパレートタイプと比べてコンパクトで薄いため、リビングや壁掛け方式での利用など、設置場所の自由度が高い。また、地デジチューナーを内蔵したテレビ機能搭載モデルも多いので、液晶テレビやDVDレコーダーとしても利用できる。

 その反面、PC本体部が小さく、メモリ増設などの拡張が困難なデメリットもある。用途に合ったモデルを慎重に選ぶことが重要だ。(山下彰子)
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