頂上熱戦

【頂上熱戦】「液晶ディスプレイ」(上)

2009/09/29 18:45

週刊BCN 2009年09月28日vol.1302掲載

 このコーナーでは、1号につき2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(上)では「製品戦略」を、(下)では「販売戦略」を問う。

Question. 製品戦略は?

【共通質問事項】
(1)ラインアップの特徴は? (2)ユーザーターゲットは? (3)製品の差別化ポイントは?


Answer.日本エイサー

(1)【製品の特徴】昨年後半から16:9のフルHD対応モデルをラインアップに加え、フルHDモデルを充実させている。そのほか、パネルの光沢加工の有無が選択できるモデルも揃えている。ここまでのラインアップを揃えているのは、当社だけだろう。サイズ別でみるとワイド型の21.5、23、24インチが当社の主力だ。

(2)【ターゲット】液晶ディスプレイは、デスクトップPCと接続するという使い方のほかに、ゲームと接続するという使い方が加わった。HDMIケーブルで簡単に接続できるなど、使い勝手もよくなっており、PCユーザーに加えてゲームユーザーもターゲットになる。小型のネットブックと接続して、画面を見やすく表示するという使い方もあるだろう。ネットブックと液晶ディスプレイをセット販売している販売店もあるようだ。

(3)【差別化】例えば、フルHDに対応した「Hシリーズ」には、フロント部分に入力切り替えスイッチを搭載している。一つのモニタにPCやゲーム機などを繋いだ場合でも、ワンタッチで画面を切り替えられるように、利便性を高めた。他社にも同様の機能を搭載したモデルがあるが、高機能モデルに搭載しているケースが多く、当社と同じくらいの価格帯の製品は少ない。そのほか、光沢加工を施したモデルについては、パネルに特殊な表面処理をすることで、乱反射や映り込みを抑えるなどの効果がある独自の「クリスタルブライトテクノロジー」を採用している。これは、当社のノートPCにも搭載しており、自信のある技術だ。

入沢隆弘 事業推進部プロダクト マーケティング課プロダクトマネージャー

Answer.LGエレクトロニクス・ジャパン

(1)【製品の特徴】バックライトに白色LEDを採用した24インチワイドの「W2486L」を普及価格帯で投入したことに自信をもっている。白色LEDを採用した製品を発売しているメーカーはほかにもあるが、当社のような普及価格帯ではないからだ。そのほか、HDMI端子2系統とコンポーネント、Sビデオなど計7系統の端子を備え、各種デジタル機器との接続に対応した多機能モデルも投入した。このように、特徴あるモデルを普及価格帯で投入していくことが当社の今年のラインアップのキーワードだ。

(2)【ターゲット】パソコンだけでなく、ゲーム機、ビデオカメラ、BDプレイヤーなどと直接繋ぐ使い方が多くなってきている。こうした流れから、液晶ディスプレイというアイテムについて、現在はPC周辺機器としての位置づけだとは考えていない。当社は、日本市場では、ディスプレイをメインに展開していることもあり、液晶ディスプレイを各種デジタル機器と接続するという提案に力を入れている。もちろん、パソコンと繋げることで、より利便性が高まるが、パソコンユーザーだけでなく幅広い層の需要を睨み、製品の特徴が一言でわかりすく表現できるようなカタログ作りに力を入れている。

(3)【差別化】低価格帯と普及価格帯は別のものだという認識だ。安売りしてトップシェアを獲得しても意味がない。われわれは、エントリーモデルを低価格で販売するのではなく、ユーザーにメリットを謳える付加価値のある製品を普及価格帯で提供していく方針だ。

朴 胤根 マーケティングマネージャー
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