店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】ワコム(上) 商品が高回転する売り場を作る

2010/02/10 18:45

週刊BCN 2010年02月08日vol.1320掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(上)では各社の販売戦略や体制を、(下)では現場の奮闘ぶりを追う。

米嶋貢
営業本部
流通営業部
ジェネラルマネージャー
 ワコムは、タブレットの販売台数シェア93.8%(BCNランキング、2009年)という高い数字を獲得。“タブレットならワコム”というイメージを定着させている。国内でタブレットを販売するメイン部署である流通営業部は、東京・大阪・名古屋・福岡に営業所を置き、営業26人、マーケティング8人の合計34人の構成で、北海道から九州までの全国をカバーしている。

 「基本は店頭」(営業本部流通営業部ジェネラルマネージャーの米嶋貢氏)と語る同社は、店舗を巡回する「チャンネル推進メンバー」が、1人あたり月に70店舗ほどを訪問。販売店に働きかけて商品を仕入れてもらう「プッシュ戦略」よりも、店頭でいかに商品が動くか、来店者に自発的に買ってもらえるかの施策をメインとした「プル戦略」を展開している。

 そのために最も気を使っているのが、「販売店に適切な在庫量を保有してもらうこと」。メーカーの本音をいえば、「商品を置けるだけ置きたい」。しかし、販売店側からすれば「一定の期間で売り切れる数を置いてほしい」。そこは販売店の立場に立って、都心・郊外など、店舗の特性によって在庫を適切な量で調節しながら納入している。

 また、「ブランディング」の一環として新しい売り場づくりにも力を入れる。パッケージのカラフルな製品が多いことから、売り場の背景には黒や白といったベーシックカラーを採用。「簡単で分かりやすく、シンプルに」をモットーに、ごちゃごちゃしたPOPはあまり使わないなど、装飾物を見せるのではなく、商品の魅力を引き出す展示を、首都圏を中心に順次展開していく。

 当然ながら、販売店の要望を聞くことは忘れない。「それぞれのお店の売り場にマッチするような形で『ブランディング』を行う」ことで、来店者がお店に入ってすぐに、ワコムのタブレット売り場を発見できるような売り場を目指す。(武井美野里)

・(下)に続く
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