店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】キングソフト(後編) 無人駅の片田舎の店舗まで巡回

2010/07/01 18:45

週刊BCN 2010年06月28日vol.1339掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。

友澤慶子
営業マーケティング部
スタッフ
 全国量販店舗の巡回活動に力を入れることで、統合オフィスソフト「KINGSOFT Office」の販売を大幅に伸ばしたキングソフト。営業マーケティング部の友澤慶子スタッフは、巡回を担当するメンバーの一人だ。あちらこちらの店舗を訪れ、オフィスとの高い互換性や低価格など、「KINGSOFT Office」のメリットを熱心にアピールする。

 友澤スタッフの担当は、これまで同社製品をまったく取り扱っていなかった地方店舗の訪問。オフィス系ソフトはマイクロソフトだけでなく、「もう一つの選択肢がありますよ」(友澤スタッフ)というメッセージを伝えるために、これまで行ったこともない地域に頻繁に出張した。なかでも、冬の厳寒期に訪れた北陸の片田舎が思い出に残っている。「降りた駅が無人駅で、すごく雪が降ってたのが印象的だった」と振り返る。

 巡回の目的は、製品を訴求することだけではない。店舗がどんなニーズを抱えているのか、メーカーにどのように対応してほしいのかなど、現場の声を把握することも大きな目的だ。キングソフトは、吸い上げた店舗からの要望に応えて勉強会を企画したり、お客様向けの説明資料を作成したりなど、店舗サポートを通じて他社との差異化を図っている。友澤スタッフは、「『KINGSOFT Office』をお店にとって売りやすい商品にしたい」と考え、現在も店舗訪問を続けている。

 もちろん、お客様向けのプロモーションも行っている。例えば6月には、キングソフトのロゴマークをデザインした約3×3cmの小型携帯電話クリーナーをソフトのパッケージに同梱するノベルティ展開を行うなど、さまざまな手を打っている。

 今後は、「当社製品の売り場の幅を広げていきたい」(瀬沼悠・営業マーケティング部長代行)と、夏をめどに、ソフトウェアコーナーだけでなく、PCコーナーにもキングソフト製品を置き、特定のPCとのセット販売を展開する方針だ。(ゼンフ ミシャ)
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