このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。
 |
森祐樹 マーケティングマネジャー |
デジタルフォトフレームのユーザーは、基本的にはカメラや写真が好きな人。営業を担当する森祐樹・コンスーマーAVマーケティング部門 デジタルイメージングマーケティング部 パーソナルイメージングMK課 マーケティングマネジャーは、デジタルカメラの購入者に、「カメラアクセサリのような感覚で、カメラとデジタルフォトフレームを一緒に買ってもらえる」よう、デジカメと絡めた展示を店頭で積極的に展開している。
直近では、6月に発売したミラーレス一眼「NEX-5」と「NEX-3」の売り場に、デジタルフォトフレームを展示する予定。こうした取り組みは、「デジカメ販売後のソリューションを生むので、販売店も喜んでくれる」という。
一方、デジタルフォトフレーム売り場では、大型の什器を使って自社製品をまとめて展示する「集合展示」に力を入れる。各メーカーの製品をサイズごとやデザインごとに並べていく展示では、ラインアップが俯瞰できず、ソニー製品としての個性も出しにくいからだ。
森マネジャーは、「当社の製品をまとめることで、来店者は『デジタルフォトフレームってこんなサイズ、色があるんだな』と、デジタルフォトフレームのおおよそのラインアップを把握でき、『こんなにラインアップが揃っているなら、買い時なのかもしれない』と思うだろう。これによって、売り場全体が活気づく」と語る。さらには、「『ソニーがこんなに大きく飾られているということは、ソニー製品が人気なのかな』と思わせる効果もある」という。
ソニーは、2008年にデジタルフォトフレーム市場に再参入してから、販売店と協力して市場を盛り上げようと試行錯誤してきた。森マネジャーは、販売店からの「売り方への期待を感じている」という。今後も、販売店との良好な関係を武器に、さまざまな店頭施策を提案し、デジタルフォトフレーム売り場全体を盛り上げていく。(武井美野里)