コンパクトデジタルカメラ(レンズ一体型デジタルカメラ)の平均単価(税別)は、1月の1万7500円を底に、5月は2万300円にまで回復した。単価上昇を後押ししたのは、再び加熱している高画素数化やズーム倍率の高倍率化など、高機能モデルの増加だ。
画素数では「1400万画素以上」の比率が2月以降大きく伸び、5月には38%と4割に迫る勢いだ。また、5倍以上のズームレンズを搭載するモデルは、09年5月が37.9%だったのに対し、10年5月は62.9%と、この1年で倍近くになっている。
また、完全防水タイプもトレンドの一つとなって、存在感を増している。5月の対応率は6.2%だった。このほか、手ブレ補正や顔認識機能は、いずれも搭載率が8~9割と、ほぼすべてのモデルが備えるようになってきた。
1~5月で、機能別に全体の平均単価と比べると、画素数1400万画素以上では、1月に8600円と大きな差が出たが、その後、影響力は小さくなっている。一方、完全防水機能は5000~6000円、ズーム倍率5倍以上は、2000~3000円のプラスになっている。
付加機能の搭載は、一定の期間は単価アップに貢献するものの、その後は徐々に一般モデルへの搭載が進むことなどで、差異化効果は薄れていく。緩やかなデフレーションが続く現在の経済情勢のなかで単価を維持するには、新たな価値をコンスタントに提供し続けなければならない。効率よく単価の維持を支える機能は何か。その答えを探す状況が続きそうだ。