時の人

<インタビュー・時の人>リンクスインターナショナル 代表取締役 川島義之

2011/03/03 18:44

週刊BCN 2011年02月28日vol.1372掲載

 1999年の創業から、各種PCパーツの販売代理業で成長してきたリンクスインターナショナル(リンクス)。「BCN AWARD」のPCケース部門では、同社が代理店となるAntec(アンテック)が4年連続でNo.1を獲得するなどの実績をもつ。そんなリンクスが、昨年、アップル製品アクセサリの取り扱いを開始し、販路の開拓を始めた。今後は、PCパーツとアップル製品アクセサリの二本柱で事業拡大を図っていく。(取材・文/田沢理恵)

PCパーツとアップル製品アクセサリの二本柱
MSIのマザーボードでNo.1を目指す

Q. 昨年、アップル製品アクセサリブランドの取り扱いを始めた。現在、どのような事業構造になっているのか。

A.
 売上高は、パーツ事業が全体の8割。iPhoneケースなどアップル製品のアクセサリが2割を占めている。

AntecのPCケース「P183-V3」とINCIPIOのiPhone4ケース「IPH-571」を手にする川島社長

Q. アップル製品アクセサリに力を入れ始めた理由は。

A.
 2008年11月から展開している自社ブランドのソーラー充電器「iCharge」がiPodやiPhoneに対応したことを機に、従来のパーツ系販路に加え、家電量販店や雑貨系にチャネルを広げた。昨年から台湾メーカーの「OZAKI」ブランドを、今年に入ってからは米国メーカーの「INCIPIO」ブランドを取り扱っている。今後は、自社ブランドの製品と代理店として取り扱う製品を拡充し、さらに新しい販路を開拓していくことで、事業拡大を図っていく。今後1~2年で、アップル製品アクセサリの売上高を3~4割に引き上げる計画だ。

Q. アップル製品アクセサリは、海外製品を取り扱う他の代理店やPC周辺機器メーカーなど、多くの企業が参入している。リンクスが取り扱う製品の特徴は何か。

A.
 「OZAKI」は、デザイン性の高いケースやスピーカーを展開しているが、もともとはスピーカーメーカーなので、とくにスピーカー関連製品に自信をもっている。「INCIPIO」は、スケートボードやスノーボードなどのボードスポーツで人気が高いメーカーで、米国ではトップ3に入る。製品はデザイン性が高く、材質にもこだわっている。2月15~17日にパシフィコ横浜で開催したボードカルチャー&ファッション展示会「インタースタイル」に、メーカーと共同で出展した。また、プロサーファー・大野修聖さんとイメージキャラクター契約を結んだ。今後、積極的にアピールしていく。

Q. 主力のPCパーツでは、Antecが4年連続「BCN AWARD」でNo.1を獲得している。パーツ製品の今後の目標は。

A.
 当社がAntecの代理店になってから、4年連続でNo.1を獲得している。Antec製品のもつ商品力もあるが、ショールームやコミュニティサイトづくりなど、プロモーションやサポートをメーカーと一体となって取り組んできたことが実を結んでいる。2011年は、5年連続トップシェア獲得を狙う。また、今年は昨年10月末に取り扱いを開始したMSIのマザーボードに注力する方針だ。MSIは、ハイエンドクラスのグラフィックカードでは国内で高いシェアを獲得しているが、マザーボードはいまひとつ伸びが悪い。今の国内シェアは考えられない数字だ。MSIは、日本国内にサポートセンターや広報機能、ロジスティックをもっており、販売拡大の環境は整っている。当社が、昨年までGIGABYTEを販売してきたノウハウを生かすことで、近い将来にトップシェアを獲得する。

・Turning Point

 リンクスインターナショナルは、昨年、創業当初から11年間取り扱ってきたGIGABYTEの代理店を辞した。これによって売り上げは減少することになったが、この出来事が転機となった。この時期にアップル製品アクセサリの取り扱いを開始。同時期に、アップル周辺製品の情報収集や、AntecやCORSAIRなど、取り扱いメーカーとの情報交流などを目的に、米カリフォルニア州でリンクスUSAを設立した。こうした動きが、新たな取り組みの積極展開につながっている。
  • 1

関連記事

リンクスインターナショナル アップル周辺機器の販売に本腰 全社売り上げの50%まで拡大へ

リンクス、EVGAと販売代理店契約、5月中旬販売開始